
文=平野重治
リオ五輪が終わり、さあ次は東京五輪──。野球界は東京五輪で野球が正式種目として復活したことで、特に力こぶを入れる。
ま、それはいいのだが、参加チームはわずかに6。半分の国・地域がメダルを獲れるのだ(どこかの国のクライマックスなんとかを思い出してしまった)。それと、メーン球場が横浜球場なのもちょっと気になる。
DeNAファン、筒香ファンは怒らないで聞いてほしいのだが、両翼94メートル、中堅118メートルというのは、いかにも狭い。ポコポコ本塁打が出ては、日本が得意のスモール・ベースボールの出番がなくなってしまう。外野スタンドもそれほど奥行きがないから、ここは場外ホームランも出やすい。
タイロン・ウッズ(03年~04年横浜在籍)が面白いように場外弾をたたき出していたのは、記憶に新しい。90年のオールスター第1戦は横浜球場で行われたが、ホームラン競争で近鉄の
ブライアントが場外弾を連発したのにはたまげてしまった。
場外弾ではないが、横浜で最も空高く舞い上がってスタンドに落ちたホームランを筆者は見ている。それは、79年のア、ナ両リーグのオールスターチームによるオールスターゲーム第1戦で打ったこの年のナ・リーグ本塁打王、デーブ・キングマン(カブス)の打った一発だ。ナ・リーグ6回表の二死一塁で代打で登場したキングマンは、高々と舞い上がる飛球を放った。一体どこまで上がるのか。いまのドーム球場なら、どこでも天井直撃だろう。ようやく落ちてきたと思ったら打球は左翼席中段に。遠くに飛ばすホームランもいいが、どこまでも高く上がるホームランもまたいいものだなあ、と感じ入った。東急の
大下弘のホームランは、多分、あんな軌道だったのだろう。
それにしても、この両オールスターチーム、恐ろしいほどの豪華版。キングマンのほかにもP.ローズ(フィリーズ)、R.カルー(エンゼルス)、L.ブロック(カージナルス)、D.パーカー(パイレーツ)、S.ガービー(ドジャース)、O.
スミス(パドレス)、P.ニークロ(ブレーブス)……。よくぞ招きに応じてくれたものだ。写真は歓迎レセプションでのキングマン、ガービー、ローズ(左から)。