センバツ最多40回目の出場、古豪の浮沈のカギ握るサウスポー

毎年、好左腕を輩出してくる龍谷大平安高。4年連続40回目出場の今センバツでは、このエース左腕の飛躍が期待される/写真=佐藤真一
市岡次第――。チームとして40回目のセンバツの行方はこの男にかかっている。エースであれば当然の理屈でもあるが、
市岡奏馬の場合には、中でも……、と力を込めたくなる。昨秋の公式戦は5イニング除き58回を1人で投げ46安打、32四死球、57奪三振で防御率2.48。登板8試合のうち7試合で完投し、完封も3つ。数字を眺めるだけでも市岡の力量と課題が伝わってくる。普通に投げれば、強さが光る140キロ前後の直球を軸に堂々封じ込めるレベルにある。秀岳館高(熊本)や日大三高(東京)との練習試合でもきっちり抑え込んできた。ただ、いつもどおりに投げられない試合が時にやってくる。好不調の波が激しいのだ。
秋の近畿大会でも悪癖が顔を出した。勝利した初戦(対高野山高)でも1、2回の立ち上がりで6人の走者を許す。うまく攻められていればどうなっていたか。敗れた準決勝(対滋賀学園高)も初回、死球のあとに4連打。いったん持ち直したかに見えた中盤から、再び崩れ7回
コールド負け。エースの“乱投”に味方打線も猛打がピタリと鳴りを潜めた。
「自分がいいリズムを作ることができれば、確実に打てる打線。それを攻撃に集中できないピッチングをしてしまって、本当に情けなかったです」
橋本和樹三塁手とのダブル主将の1人としても、自らに腹立たしさを覚える投球だった。龍谷大平安高・原田英彦監督は不安定の原因を市岡の内面に求める・・・
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