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東都大学リーグ

「11.4」の悔しさバネに亜大が「V奪回」を宣言

 

2016年春以来のリーグ優勝を目指す亜大を引っ張るのは、写真左から左腕・中村、主将兼捕手・頓宮、副主将・正隨だ。3人とも17年12月の大学日本代表候補強化合宿[松山]に招集され、プロを志望する/写真=BBM


創部61年も不変の姿勢「全力疾走」の先にある栄光


 17年11月下旬、全体ミーティングで亜大・生田勉監督から新幹部が発表された。小学校以来の主将に任命された頓宮裕真(4年・岡山理大付高)は「言われても、驚くこともなかった」と、覚悟ができていた。遠投110メートルの強肩捕手は、右打者としても3年時は春秋連続で打率3割に到達し、リーグ戦通算4本塁打とパワーもある。だが、両シーズンともフルでマスクをかぶっておらず、配球面の勉強のため、一塁へ回ることもあった。「夢はプロ」と語るラストイヤーはもちろん、常時出場する。

「全力疾走と全力発声。徳田(徳田紀之)コーチから言われる前に、自分たちで気づき、率先して動く」

 12月上旬には大学日本代表候補強化合宿(松山)に初招集された。2、3年時と侍ジャパン大学代表でプレーしている吉田高彰(上武大4年・智弁学園高)から刺激を受け、攻守両面でのレベルアップに努めている。

 バッテリーを組む左腕・中村稔弥(4年・清峰高)も同合宿に参加。18人が選出されたレベルの高い投手陣を見て、自身が進むべきスタイルを再確認した。「球速(最速144キロ)を上げたい気持ちもありますが、数字よりもキレ、制球力が大事だと感じました」。カーブ、スライダー、ツーシーム、スプリットをコーナーに投げ分ける原点に戻るつもりだ。2年春に3勝を挙げてリーグ優勝に貢献すると、17年秋はリーグトップの防御率1.22をマークしている。

「自信になりましたが、リーグ戦で大事な終盤に勝てていない。シーズントータルでチームに貢献したい」

 忘れられない試合がある。17年秋、勝ったほうが優勝の東洋大3回戦。先発した中村は3回途中1失点で降板し、チームもリーグ制覇を逃した。

「悔しい記憶として、残っています。先発として勝つ試合を作りたい」

 177センチ81キロとバランスの良い左腕はスカウト注目投手で、卒業後の進路希望はプロ。だが、まずはチームの勝利を最優先する。

まずは後輩に受け継ぐ一部リーグのバトン


 主力打者としての自覚が増しているのが、主将・頓宮を支える副主将の正隨優弥(4年・大阪桐蔭高)である。高校時代は3年夏、四番として甲子園で全国制覇を経験。勝利が義務づけられるチームに身を置いてきただけに、春秋ともV逸した17年は「不甲斐ない」と、唇をかむ。「(16年春に優勝しており)何年も遠ざかっているわけではありませんが、優勝して当たり前。目の前で胴上げされたことは忘れない」。右の強打者・正隨も大学日本代表候補強化合宿に招集され、全国レベルを体感することで、モチベーションが上がった。

「目標はプロ野球選手になること。自分で決められることではありませんので、結果として指名されるよう、努力を続けていきたいと思います」

 昨年12月9日、創部60周年記念祝賀会が東京都内で盛大に行われた。現役プロ13人が登壇している姿を、正隨はあこがれの目で見つめていた。

「自分も、あの場に立ちたい」

 1年秋に初本塁打を放つと、2年秋から3年春までは各2本で、通算8本塁打。「本数にこだわりはありませんが、最低でもシーズン3本は打たないと、戦力になれていない。11月4日のことを忘れずに取り組みたい」。この「11.4」とは、東洋大に惜敗した日。主将・頓宮も「あの試合をバネにやる。先輩が築いてきた一部のバトンを後輩に受け継ぐ」と、創部61年の2018年、一部死守からのV奪回を狙う。(取材・文=岡本朋祐)
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