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大学日本代表候補合宿

「全打席本塁打」を狙う渡部健人(桐蔭横浜大)の長打力

 

176センチ115キロ。右の大砲は今後の成長が期待されている/写真=田中慎一郎


可能性を秘める115キロの巨漢スラッガー


 たくましい太ももをしている。

「ジーパンとか入らないので、私服とか困っています」

 人懐っこい笑顔を見せる渡部健人(3年・日本ウェルネス高)は昨年6月に続いて、大学日本代表候補合宿(6月21〜23日)に参加。今合宿における「登録体重」は115キロであるが、実際は113キロだ。高校3年時から5キロアップしたこの数字が、最も体が動くベストだという。グラウンドに入れば、周囲を圧倒するほどの立派な体格も、実は「走れる巨漢スラッガー」だ。50メートル走は6.4秒であり、今合宿における計測で6.3秒と自己記録を更新。また、二塁盗塁3.1秒と29人の野手の中でも上位ランクのタイムをたたき出している。打つだけ、というイメージを払しょくするだけの高いポテンシャルを猛烈にアピールした。

「長距離は苦手ですが、短距離には自信があります。際どいタイミングのときには、チャレンジする。次の塁を狙う姿勢を大事にしています」

 22日の紅白戦でも持ち味を発揮した。平凡な飛球を打ち上げても、スピードを緩めることはない。外野手が捕球したころには、二塁ベース付近にまで到達。中前にポトリと落ちた安打も、結果的に全力疾走が二塁打を呼び込むシーンも見られた。今合宿に限ったことではない。桐蔭横浜大では常日ごろから向き合う約束事である。合宿初日のミーティングで大学日本代表・生田勉監督(亜大監督)が提示した指示どおり、攻守における「全力プレー」を徹底。左前打を放った後に二盗を成功させると、ベンチは大盛り上がりだった。

長距離砲の参考にプロ2人の動画をチェック


 とはいえ、渡部の武器と言えばやはり「長打力」である。滞空時間の長い放物線はアーチストの素材十分。横浜商大高(神奈川)から2年春に転校した日本ウェルネス高(東京)を通じて通算25本塁打。規定により、2年時は出場できなかったが「自分を見つめ直す機会となった」と、3年春から四番に定着。同夏に2本塁打を放ち、5回戦進出に貢献し“東東京のおかわり君”と呼ばれた。3年時にプロ志望届を提出も、指名漏れ。桐蔭横浜大では1年春から出場し、3年春までに神奈川大学リーグで8本塁打。今年6月の大学選手権1回戦(対中京学院大)では、右中間へ一発を放っている。

 好きな選手は、昨季のパ・リーグ本塁打王の西武山川穂高である。

「中途半端なスイングはしたくない。全打席、ホームランを狙う姿勢を参考にしています」

 代表選考合宿では、フリー打撃中に生田勉監督から直接指導を受けた。

「打ち急いでいるから、差し込まれている、と。もう少し、どっしり振ったほうが良い、と」。指揮官からは西武・中村剛也ソフトバンク松田宣浩の動画を見て研究するように促された。全体練習後も一人、外野フェンス付近でスイングチェック。野球に向き合う姿も一流の域に達する。合宿最終日(6月23日)、24人の日米大学選手権代表メンバーから漏れたが、昨年以上にこの3日間は野球人生における貴重な時間だった。渡部は3年生で、まだ、チャンスはある。自チームへ貴重な経験を持ち帰り、次のステージに生かす。(取材・文=岡本朋祐)

PROFILE
わたなべ・けんと●1998年12月26日生まれ。神奈川県出身。176cm115kg。右投右打。大池小1年時から投手として野球を始め、白根中時代は中本牧シニアに在籍し、2、3年春の全国選抜大会出場(遊撃手、三塁手、投手)。横浜商大高では1年夏から出場も家庭の事情で、2年から日本ウェルネス高へ転校。規定により1年間は出場できず、3年夏は東東京大会5回戦敗退。桐蔭横浜大では1年春から出場し、神奈川大学リーグ46試合、打率.308、8本塁打、30打点。
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