
JFE東日本との初戦[2回戦]は0対0のままタイブレークに入り、2対3でサヨナラ負け。橋口監督[背番号84]と峰下主将[同6]も無念の表情を浮かべるが、次へ挑戦だ
得意の「機動力」を封じられ「連覇」の難しさを実感
前年優勝チームとして、今年の都市対抗には推薦出場した大阪ガス(大阪市)。そのベンチには昨年からのチームスローガンである「惟一心」と共に「挑戦」と書かれた額縁が飾られ、2連覇への挑戦が今季最大の目標とされた。そのために橋口博一監督(慶大)はキャンプを例年よりも1カ月遅い3月に行うなど、都市対抗の本戦に合わせてスケジューリング。そして、昨季同様、機動力野球を標榜し、
峰下智弘主将(近大)の「ディレードスチールなど走塁のバリエーションも増やしてきました」という言葉のとおり、オフシーズンには走力を強化した。始動を遅らせた分、JABA大会での成績は振るわなかったが「橋口監督は常々『都市対抗にピークを』と話していましたし、大会前の壮行試合を迎えるころには十分にチームが仕上がっていました」と峰下主将。推薦出場チームは他チームからの補強選手もないが、橋口監督は「上々のコンディションで東京ドームへ乗り込めました」と自信を抱いていた。
タイブレークで逆転負け
しかし、JFE東日本(千葉市)との初戦(2回戦)では、5回までわずか1安打に抑えられる苦しい展開。6回表には一死から
小深田大翔(近大)がヒットで出塁するもけん制でアウト。続く峰下も左前打を放ったが、こちらもけん制で刺されてしまいチャンスを作れず、橋口監督は「サインが出ていたわけではなく、昨季からこういった場面ではグリーンライトで次の塁を狙っていましたから、相手投手のほうがうまかったということです」と話した。
それでも8回表は二死から宮崎一斗(亜大)が二盗に成功したが後続が倒れ、無得点のまま試合は延長12回のタイブレークへ。すると、大阪ガスは12回表に土井翔平(法大)の犠飛と古川昂樹(立命大)の適時二塁打で2点を先制。だが、その裏に9回途中からマウンドに上がっていた飯塚孝史(履正社高)が同点打を浴びると、最後は秋山遼太郎(福岡大)が
中澤彰太(早大)に一、二塁間を破られ万事休す。2対3の逆転サヨナラ負けで敗退となった。
エンドランも含めて得意の足技を発揮できなかった橋口監督だが「足を封じられたというよりも、走る以前に走者を出すことができなかった」と5安打に終わった打線を嘆き、峰下主将は「いくら機動力があってもヒットが少なければ相手投手を崩すことはできないので、出塁率を上げるところからやり直したい」と課題を挙げた。それでも先発の2年目・
阪本大樹(関大)がキレのあるストレートとスライダーを武器に力投。その後もベンチ入りした7投手のうち6人をつぎ込む必死の継投で11回まで無失点に抑え、バックも外野手からホームへの好返球で二塁走者を二度もアウトにするなど鉄壁の守備で前王者の片鱗は見せ付けただけに、指揮官は「全員で戦える良いチームになっていたのですが︙︙」と無念さをにじませた。
今後は「もう一度、機動力を磨いてきたい」と橋口監督。小深田も「スタートやトップスピードになるまでの早さを研究したい」と話しており、大阪ガスはさらなる機動力の高みを見据え、また一からチャレンジを始める。(取材・文=大平明)