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東都大学リーグ

小玉和樹(国学院大) ラストシーズンにかける魂の投球

 

立正大2回戦。4年生・小玉は2年春の亜大2回戦以来、自身2度目の先発を任され、7回途中2失点で、通算8勝目を挙げ勝ち点奪取に貢献した/写真=矢野寿明


2年春以来の先発で勝ち点奪取に貢献


 今秋のドラフト候補のリリーフ投手が、5シーズンぶり2度目の先発として、神宮のマウンドに立った。

 国学院大の最速151キロ右腕・小玉和樹(4年・佼成学園高)。9月19日の立正大2回戦で140キロ台の直球とスライダー、ツーシームを軸に6回2/3を投げ、4安打2失点。リーグ戦通算8勝目、先発としては初勝利を挙げ、開幕から2カード連続での勝ち点奪取に貢献した。

「うれしい気持ちは救援のときと同じですが、先発では試合の流れを作らないといけない。その楽しさがありますね」。小玉は声を弾ませた。

 この試合がリーグ戦で40試合目の登板。そのうち38試合で、リリーフを務めてきた。

 国学院大には、横山楓(4年・宮崎学園高)と吉村貢司郎(4年・日大豊山高)のドラフト候補の先発二本柱がいる。小玉は、今季も救援として2人を支えるつもりでいた。

 ところが、立正大戦では吉村がコンディション不良でベンチを外れたため、鳥山泰孝監督から2回戦での先発を告げられた。吉村から「任せたぞ」と言われ、「吉村のためにも」と上がったマウンドだった。

「役割は変わったけど、チームに貢献できてよかった。吉村が戻ってくるまで、自分が代わりを務めたい」

 身長167センチ。小柄と言われるが、「持ってうまれたもの。小柄なのに150キロ近い球を投げることで注目してもらえればいい」と、胸を張る。

過去よりも前を向く


 2年春のリーグ戦で151キロを計測し、同秋は3勝を挙げた。しかし、3年春の開幕前に右足首をねん挫。その影響から投球フォームを崩してしまい、同春は3試合(3回1/3)の登板にとどまった。

 もどかしさを感じていたとき、横山、吉村ら同学年に7人いる投手の仲間たちが気にかけて、励ましてくれた。「アイツらがいたから頑張れた」と、小玉は感謝する。

 今春のリーグ戦序盤は、開幕の立正大1回戦で2失点するなど、本来の投球ができなかった。「勝たなきゃいけない」と自分で自分を追い込み、打たれたことを引きずっていた。

 小玉を救ったのが、鳥山監督の「一流のアスリートは、忘れることも大切だぞ」という言葉だった。「過去を振り返ってもしかたない。前を向こう」。気持ちを切り替え、思い切りのいい“魂の投球”を取り戻した。

 鳥山監督は、小玉について「うまくいかないときに『オレには無理なんじゃないか』とブレーキをかけてしまう選手もいるけど、彼にはブレずに邁進する力がある」と言う。

 チームは、小玉が入学した16年春から今秋までの7シーズンのうち、3季で2位と、あと一歩のところで優勝を逃している。「今までのシーズンのなかで、今季が一番、優勝したい気持ちが強い。救援でも先発でもフル回転するつもりです」。

 10月17日のドラフトに向けて、最後のアピールをしたいところだ。だが、「特別に何かしようということはない。勝利に貢献できれば、自然と評価も上がる」と、力みはない。

 大学ラストシーズンは残り3カード。次戦(10月8日から予定)は勝ち点2で並ぶ中大と対戦する。小玉はチームを優勝に導くために、腕を振り続ける。(取材・文=佐伯要)

PROFILE
こだま・かずき●1997年5月20日生まれ。東京都出身。167cm73kg。右投右打。梅若小2年から堤若草で野球を始め、鐘ヶ淵中では鐘ヶ淵イーグルスに所属し、2年時には三塁手、遊撃手として全日本少年春季軟式野球大会優勝。佼成学園高では1年秋からエースで、3年春は東京大会準優勝で、関東大会8強。3年夏の西東京大会は5回戦敗退。国学院大では1年春からリーグ戦で登板。今秋の9月19日終了時点で40試合に登板して8勝を挙げている。
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