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第93回選抜高校野球大会

富山北部高・水橋高が誇る横とタテの強固な「絆」

 

富山北部高・水橋高は部員20人(女子部員3人)。連合チームがセンバツに選出されれば、初となる。3年生の男子部員は4人。左から主将・清水、長田、中川、石崎[写真=田中慎一郎]


「2+2+13」で歩む連合チームの結束力


 男子部員17人で、うち13人が新2年生。センバツ21世紀枠で北信越地区の推薦を得た富山北部高・水橋高が“運命の日”を待っている。

 富山北部高と水橋高は少子化の影響で2020年4月から統合され、新たに富山北部高が開校。昨秋は旧・富山北部高、水橋高、新・富山北部高の3校連合チームとして出場した。県大会初戦(2回戦)で魚津工高に勝利すると3回戦で不二越工高、準々決勝で未来富山高と私学勢を撃破。4強進出を遂げ富山北部高としては50年ぶり、水橋高としては初となる北信越大会へと駒を進めた。笹野祐輔監督は快進撃の要因を語る。

「水橋が統合することになって、その思いを背負って北部の生徒も戦ってくれたおかげで、チーム一丸となれた。正直、こうなると本当に思ってなかったので、いろいろな方に言われるんですけど、僕らも驚くぐらい子どもたちが頑張ってくれた大会でした」

 水橋高のユニフォームを着る最後の世代となったのは、中川凌輔と長田稜成の2人。旧・富山北部高も新3年生は清水周道と石崎幹卓と少ないが、4人がチームを引っ張っている。

チームを押し上げた水橋高の2人


 初の合同練習は昨年8月、富山北部高が独自大会準々決勝で敗れた翌日(水橋高は3回戦敗退)。お互いにどんな技量、どんな性格か分からない。普段は頼りがいのある主将・清水であっても、この日ばかりは遠慮がちに過ごした。長田も緊張していたというが、水橋高の体育コースに所属する中川は専門授業を富山北部高の下級生と一緒に受けていたため面識があった。さらに、どちらかと言えば口数の少ないタイプの石崎が積極的にコミュニケーションを取り、距離を縮めた。

 指導者にとっても最初は手探り状態だったが、合同練習2日目には早くも打ち解けた雰囲気になっていた。夏休みが終わり、授業が始まった後も平日は週3回、水橋の2人が富山北部高での練習に参加した。水橋高の2人は統合されることは知った上で入学し、1年夏からベンチ入り。同夏に4強入りした先輩たちの姿を見てきた。「今までやってきた先輩たちの分まで、自分たちが最後なんで、その分、覚悟を持ってやっています。上級生は人数少ないのでその分、チームを引っ張るように頑張ってます」(中川)。「自分たちが最後の学年で、水橋高校が今まであったんだよ、ということをアピールしたい」(長田)。再編・統合される形となる水橋高が注目を浴びるが、清水にも同じような思いがある。「僕たちも新3年生は旧富山北部高の最後、お互いに最後まで頑張ろう」。

 最上級生4人の決意は、確実にチームに好影響をもたらした。

「北部の選手だけじゃ絶対、この結果にはなってない。水橋の子が試合に出ているか、出ていないかではなく、それぞれ学校というものを背負って戦った。それを、子どもたちが意気に感じたのか、見えない力が後押ししてくれたのか分からないですけど、こういう結果になったのは水橋という校名があって、水橋の2人が頑張ってくれてるからこそです」(笹野監督)

 北信越大会では敦賀気比高との1回戦で善戦(0対5)。1月29日の選考委員会で連合チームの選出となれば、初の快挙だ。旧・富山北部高2人、水橋高2人、新・富山北部高13人の選手たちは、静かにその日を待つ。
(取材・文=小中翔太)
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