
国学院大の主将・古江は中大2回戦を代走で出場[写真=牛島寿人]
故郷の大分に錦を飾った2選手
東都大学野球春季一部リーグ戦の開幕カードが4月2〜4日の3日間、大分市・別大興産スタジアムで行われた。1931年の連盟発足以来、公式戦の地方開催は史上初のことだった。「東都初の地方開催で、大分で開幕を迎えられることをうれしく思います。東都らしい全力プレーで、東都と大分を盛り上げることを誓います。大分商業出身、国学院大学主将、古江空知」
昨年春秋を連覇した国学院大の主将・古江空知(4年・大分商高)の選手宣誓でリーグ戦は開幕した。古江は投手として入学したが、50メートル走6秒を切る俊足を生かすため昨夏、外野手に転向。厚い選手層を誇る国学院大でレギュラーをつかむのは、容易なことではない。昨秋までのリーグ戦出場は代走での1試合のみだったが、責任感の強さなど人間的な部分を評価され主将に選ばれた。故郷での開幕カードでは2試合ともスタメン出場はかなわなかったが、ベンチワークの中心として、チームの士気を高めることに徹した。
中大1回戦は1点差の接戦を制し先勝。翌2回戦の7回裏、一死満塁の場面で出番がやってきた。一塁走者への代走でグラウンドに立った古江は、七番・
神里陸(2年・東海大相模高)の右前打で三塁まで進むも、後続が倒れ得点には至らず。それでも観衆からは、一際大きな拍手が送られた。古江は「懐かしさも感じながら、何とかホームにかえりたいという気持ちで塁に出た。絶対、勝つという気持ちで乗り込んできたので、昨日と今日、勝てて良かったです」と、連勝での勝ち点奪取に笑顔を見せた。
母校の21世紀枠が刺激に
開幕試合の好投で、別大興産スタジアムを沸かせたのが国学院大の左腕・新名凌馬(2年・大分舞鶴高)だ。6回裏、一死一塁の場面で2番手として登板。チェンジアップを効果的に使い1回2/3を被安打2、無失点と好救援。3番手の楠茂将太(3年・旭川大高)へバ
トンを渡した。

左腕・新名は1回戦で2番手として1回2/3を無失点に抑え、地元でのリーグ戦初登板を飾っている
「(鳥山泰孝)監督からは1イニングで代わるつもりでいいから一人ひとりの打者を全力で抑えろと言われました。高校時代から慣れたマウンドですが、今日は雰囲気がまったく違いました。スタンドには友人や知ってる人が多かったので、うれしい気持ちもあったけれど緊張もありました」と、ホッとした表情で話した。
新名は1年生だった昨秋、仙台大との明治神宮大会1回戦で登板経験はあるが、リーグ戦では、この中大1回戦が初登板だった。鳥山監督は「勝ち展開の中で新名に仕事をしてもらうのが、今のウチの戦い方。投げっぷりがよく、常に覚悟を持ってマウンドに上がっている。気持ちの面を一番、評価しています」と新名の投手としての魅力を教えてくれた。
母校・大分舞鶴高が今春センバツに21世紀枠で初出場したことも刺激になったという。新名は「自分も着ていたユニフォームを着た後輩たちが甲子園の舞台で活躍しているのを見て、自分も頑張ろうと思いました」と今後のさらなる活躍を誓った。
国学院大はリーグ3連覇へ、最高のスタートを切った。地元選手2人の活躍で、活性化されたことは言うまでもない。そして、大分の球児たちへ、東都の野球を強く印象づけられたはずだ。(取材・文=小川誠志)