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よく分かる!ルール教室 / 元日本野球規則委員 千葉功

2018年のオールスターは第1戦が4番手の宮西、第2戦が2番手のアルバースが勝利投手に。ペナントレースと異なる勝利投手の決定方法がある?

 

今年度のオールスターゲームはパ・リーグの2連勝で終わりましたが、第1戦が4番手の日本ハム宮西尚生選手が、第2戦では2番手のオリックスアルバース選手が勝ち投手となりました。オールスターでは、ペナントレースとは異なる勝利投手の決定方法があるのですか。[前編]

 実は選手権試合(問でいうペナントレース)ではない特別な試合(ここではオールスター)の、勝利投手の決定方法については、野球規則に触れられています。その前に、まずは選手権試合の勝利投手の決定について触れておかなければなりません。“勝投手・敗投手の決定”について定めた野球規則9.17に次のようにあります。

「(a)ある投手の任務中、あるいは代打者または代走者と代わって退いた回にチームがリードを奪い、しかもそのリードが最後まで保たれた場合、その投手に勝投手の権利が与えられる。ただし、次の場合、この限りではない。(1)その投手が先発で、本条(b※後述)が適用された場合。(略)」

 本条(b)とは先発投手の勝投手の権利について触れたもので、ここには

「先発投手は、次の回数を完了しなければ勝投手の記録はあたえられない。(1)勝チームの守備が6回以上の試合では5回。(2)勝チームの守備が5回(6回未満)の試合では4回」

 とあり、続けて

「先発投手が本項を満たさないために救援投手に勝投手の記録が与えられる場合は、救援投手が1人だけであればその投手に、2人以上の救援投手が出場したのであれば、勝利をもたらすのに最も効果的な投球を行なったと記録員が判断した1人の救援投手に、勝投手の記録を与える」と定められています。

 この大前提を踏まえ、次号で選手権試合ではないオールスターゲームのような場合の勝利投手の決定方法について解説します。[文責=編集部]
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元日本野球規則委員・千葉功による野球ルールコラム。

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