CSに持ち込めば巨人を倒す芽も
この時期、あちこちから今季のペナントレース順位予想を尋ねられる。
今年のセ・リーグはつまらない。おそらく評論家の10人が10人、
巨人の優勝を予測するはずだ。私も「セ・リーグの優勝は巨人」とせざるを得ない。ピッチャーはそろっているし、好守に強力打線。負ける要素がない。逆に言えば、あのメンバーで負けたら、監督はクビだろう。
巨人のように図抜けたチームがある場合、弱者はどうやって戦っていくか。これはもう、「信じる」しかない。野球の本質は、「意外性のスポーツ」だ。“意外性”とは、弱いチームでも戦術によっては強いチームに勝てることを意味する。だから本来、順位予想は非常に難しいのが野球の本質であったはずなのだが、今年ほど予想が簡単な年はなさそうだ。

▲今年の巨人の戦力からすると、原監督が胴上げされなければおかしい
従って、興味は自ずと2位、3位になる。ここには
中日が食い込んでくるだろう。古巣・
ヤクルトは戦力の上積みもなく、残念ながら最下位か。それにしても昨季はホームラン王、最多勝投手がいて、なぜ最下位にまで落ちたのか。これもまた野球の不思議なところだ。もう私にはやらせてもらえんかね、ヤクルト監督。
2位、3位に入り、クライマックスシリーズ(CS)出場権さえ得れば、他チームにも巨大戦力・巨人を倒す芽が出てくる。短期決戦とレギュラーシーズンは違うからだ。それは私が現役時代、証明している。
73年、パ・リーグで断然強かったのは阪急とカネやん(
金田正一監督)の
ロッテだった。この年からパ・リーグは観客動員を図るため、1シーズンに山場を2回作ろうと、2シーズン制を採用した。前期65試合、後期65試合。それを聞いたカネさんは
「こりゃ大変だ。トーナメント方式で考えていかないと、とてもじゃないが優勝は無理だ」と、大騒ぎした。
しかし、私はちょっと待てよ、と思った。冷静になって考えれば、130試合も65試合も、長丁場に変わりはない。だから前年までと変わらず130試合のペナントレースのつもりで、先発ローテーションをきっちり守っていった。そのうち、相手が勝手に自滅していき、“弱い”南海が前期優勝を勝ち取った。
そこで目が覚めたのか、阪急もロッテも後期は“平常運転”に戻った。そうなると、こっちは勝てない。ましてや前期優勝したものだから、選手はすっかりシーズンを制覇したような錯覚に陥っていた。「お前ら、プレーオフの権利を取っただけだぞ」と言っても、なんだか気合が入らない。どうにもこうにも勝てなくて、結局3位に終わってしまった。
後期優勝は、南海に12勝1分けの阪急。当然、評論家も記者もプレーオフの予想は「阪急優勝」である。南海はせいぜい1勝もできればいいだろう、と言われていた。それぐらい戦力の差があった。しかし私は、短期決戦は分からんぞ、と思っていた。野球は意外性のスポーツなのだから、と。結果、南海は3勝2敗で阪急を下し、パ・リーグ優勝を決めたのだが、このプレーオフについては以前このページで書いたので、今回は省略しよう。
パ・リーグは混戦。言い換えれば決め手なし
さて話を今年の予想に戻すと、パ・リーグは混戦。言い換えれば、どのチームも決め手がない。監督の腕の見せどころになってくるだろう。
こんなとき、よく言われるのが・・・
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