高校時代は故障に泣かされたが、15年に入社した社会人で自身の体と向き合うと、ステップアップを遂げた。昨年は抑え、先発で全国舞台で実績を残し、「プロ注目投手」へ浮上。ドラフト解禁となる高卒3年目は、さらなる飛躍のシーズンとする。 取材・文=佐々木亨 
昨年11月の日本選手権2回戦[対NTT西日本]では、先発して6回途中1失点で勝利投手になった。成長の跡をスカウトにも見せている/写真=石井愛子
「大台突破」を連発して潜在能力の高さ披露
良くも悪くも「振り幅」が大きいその豪快なピッチングは、衝撃であり魅力的だった。昨年11月の日本選手権である。夏の都市対抗と並ぶ二大大会での初先発。2回戦(対NTT西日本)での
鈴木博志は初回から150キロ台のストレートを連発した。152キロ、153キロ……9割以上が150キロ台と、圧巻のポテンシャルを見せたのだ。
「初めから『ストレートで押すスタイルでいく』と決めていた。普段は抑えをやらせてもらっているんですが、今日は先発で、心臓がはち切れそうでしたが、最初から『9回のマウンド』のつもりで思い切りいくことだけを意識しました」
試合後の鈴木は、マウンドの高揚感そのままにそう語ったものだ。
ただ、その「心臓がはち切れそうだった」という緊張が大きく影響しただろうか。先頭から2者連続で四球を与えながら3四球で満塁のピンチを迎えた1回表を皮切りに、序盤3回まで7四球と制球が乱れに乱れた。
「あまりコントロールが定まらなくて……どちらかと言えば、悪くて……」
オープン戦でも「制球が荒れる」ことがあるそうだが、その試合での制球難は・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン