2年春のセンバツでバックスクリーン右へ豪快な一発を放ち、ネット裏で視察するNPBスカウト陣をうならせた。超高校級の鋭いスイングから、快打連発。最後の夏、名門を甲子園へ導く覚悟である。 取材・文=谷上史朗 2年夏、3年春と甲子園出場を逃し今夏、ラストチャンスにかける。主砲のバットが名門校を勝利へ導いていく
準備不足の部分で私生活と野球は直結
もう1年以上前の話題になるが、やはり
岡田悠希を語るには“ここ”からになる。昨春のセンバツ1回戦(対明徳義塾高)で甲子園のバックスクリーン右へ突き刺した一発だ。
「清宮よりこっちがいいかも……」
思わず、そう口にするスカウトもいた一打にはこの男の可能性が詰まっていた。
それから400日余り──。スカウトたちにとっても、指導者、そして誰より岡田自身にとってももどかしい時が流れた。「ボールをとらえたときの音とかスイングの迫力……ここはモノが違います」。
岡田に対して普段は厳しいコメントを並べる原田英彦監督も、こと打者としての資質に関しては迷わずに認める。近くでティーバッティングの様子を見ていても、際立つ振り出しの速さ、インパクトの強さが伝わってくる。この振りで、甲子園の一発も、平安ボールパークのスコアボード軽々と超える一発も、さらに原田監督に「こんな打ち方もできるんか……」と感心させた昨秋の近畿大会での一発も放ってきた。3本目は右投手のヒザ元へのスライダーを、皇子山球場のポール際へ運んだ技ありの本塁打だった。スラッガーとして秘める能力は間違いなく一級品。しかしそこに「ただ……」とつくのがこれまでの岡田だった・・・
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