高卒入社の社会人選手のドラフト解禁は3年である。そのタイミングでは“縁”に恵まれなかったが、5年目にして再び大きなチャンスがめぐってきた。故障に苦しんだ時期もあったが、今は投げられる喜びに満ちあふれている。 取材・文=大平明、写真=小倉元司 端正なマスクで高校時代から人気があり、プロ入りを果たせば、球界のプリンスとして注目を浴びることになりそうだ
かつて甲子園を盛り上げた右腕が、いよいよ飛躍の時を迎えようとしている。鳴門高から強豪・JR東日本へ進み、今年で入社5年目となる
板東湧梧。高校時代は2年夏から3年夏まで4季連続で甲子園に出場し、13年夏は同校63年ぶりの8強に進出に貢献した。同大会では花巻東高(岩手)の「カット打法」が話題となったが、その準々決勝で163球と力投も惜敗(4対5)している。甘いマスクで、多くのファンから人気があった。
持ち味は182センチの長身から投げ下ろす伸びのあるストレートにカーブ、カットボール、フォークを織り交ぜ、相手打者に的を絞らせない。今季は昨年までのエース・
田嶋大樹(
オリックス)が抜けた穴を埋める活躍が期待されており、板東自身も冬場のトレーニングをこなす中で、確かな手応えを感じていた。
「特別なことはしていませんが、昨年と違って今年はしっかりと投げ込むことができました。そのおかげで体が強くなっている実感がありますし、体の使い方も身に付いて持てる力を十分に発揮できるようになってきました」
今春は自己最速の148キロをマーク。ただ・・・
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