安定した遊撃守備は下級生時代から際立っていた。日ごろからの練習の賜物である。課題だった打撃も昨年11月の明治神宮大会3試合で5安打、6打点。8月開催の春季リーグ戦では主将の自覚も加わり、初のベストナインを受賞。クレバーな生粋の「KEIOボーイ」だ。 取材・文=佐伯要 写真=田中慎一郎 
捕球、送球と丁ねいかつ正確であり、慶大で2年秋からレギュラーを奪取したのも、安定感ある守備力があったからだ
慶大の主将で、遊撃手の
瀬戸西純のグラブには、2つの「芯」がある。一つは人さし指の付け根の部分で、送球を捕るときのもの。もう一つは薬指の付け根の部分で、打球を捕るときのものだ。
瀬戸西は守備のこだわりをこう語る。「派手さより、堅実さを大事にしています。投手の心理を考えると、打ち取った打球を確実にアウトにしてくれるのは安心感につながる。そのうえで、1シーズンに何本か、ヒット性の打球をアウトできれば、と考えています」
堅い守備と正確な送球には定評がある。その原点は「カベ当て」。幼いころから、2人の兄と家の近所の公園へ行き、大きな壁に向かって3人で順番に球を投げ、「エラーしたら負け」という遊びをしていた。「今でも、守備で迷ったときはカベ当てをして基本に立ち返っています」
中学時代は中本牧シニアに所属し、主に二塁手としてプレーしていた。高校を受験する際、スポーツと勉強が両立できる学校として慶應義塾高(神奈川)を志し、一般入試で合格した。
入学時には「高校ではアメフトとかラクロスとか、野球以外のスポーツをしようかな」と考えていた。しかし・・・
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