菊池雄星、大谷翔平、佐々木朗希と怪物を輩出してきた岩手高校球界に、将来性豊かな本格派投手がいる。メキメキと成長しており、一冬越えて、さらなる飛躍が期待。見逃せない149キロ右腕である。 取材・文=高橋昌江 写真=井沢雄一郎 
2年夏の岩手大会で自己最速149キロを計測。トレーニングに関して研究熱心であり、この冬も強化に励んでいる
コロナ禍の2020年の大会中止から2年ぶりに戻ってきた、夏の甲子園の代表校をかけた戦い。岩手大会2回戦だった。
「自分では分からなかったんですが……」
球数を重ねた試合終盤、左打者が内角低めを空振りした。花巻球場のスコアボードに球速が灯る。「149km/h」。マウンド上で打者に集中していた盛岡中央高の2年生右腕・
齋藤響介がその事実を知ったのは、ベンチに戻ったときだった。
「149キロが出ていた、みたいな感じで言われて、結構、びっくりしました」
2年春に自己最速を147キロとし、水沢商高とのこの一戦も、140キロ中盤のストレートを投じていた。マスクをかぶっていた同級生の小笠原颯汰が振り返る。
「夏には140キロを捕り慣れていたので、そんなに速くは感じなくなっていました。でも、あのときは試合の後半で『なんか、速くなってきたな』と思っていて、149キロを捕ったときは・・・
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