1年間ケガなくローテを守ってくれるのがエース

1年間先発ローテを守り、高卒以来3年連続2ケタ勝利を挙げた藤浪。今季は貯金7に199イニングを投げた。もう阪神の絶対的なエースになったわ
原稿を書いている時点で、CSファイナルステージのまっただ中。セ・リーグは
ヤクルトか
巨人か。その結果は締め切りまでには分からないので、「そらそうよ」は別の視点で書いてみることにした。
阪神がCSファーストステージで巨人に敗れた。1勝2敗……。最後は意地を見せて、追いつめたけど、届かなかった。長いシーズン、勝率5割を切ったチームである。借金1でのCS出場は、複雑な思いだっただろうが、やはり、ここという局面で勝てないチームの負の要素が出てしまった。そういう感じだったよな。
そんな中、初戦に先発した
藤浪晋太郎のことを書く。果たして藤浪は阪神の「エース」になったのか?これがテーマである。担当者からの指令により「エースの条件」をオレなりに記してみることになった。その中心になるのが3年目を終えた藤浪ということや。
まずオレの中で「エース」という言葉で思い出すのが、阪神の監督時代の井川(慶)である。現役時代、阪神はもちろん、他球団のエースを見てきたし、対戦してきたけど、監督という立場になって、井川ほどエースの働きを果たした投手はいない。だからオレは3年続けて井川を開幕投手に指名した。
監督に就任した直後、まず最初に手がけたのが四番とエースを決めることやった。四番に関しては金本(知憲)しか思い浮かばんかったわ。だから、すぐに金本を呼び「これからは四番をずっと打て。全打席、ホームランを狙っていけ!」と伝えた。そしてエースやけど、これも井川しかいなかった。
エースの条件とは何か。それを考えたとき、すべてに井川はクリアしていた。まず1年間、先発ローテーションを守って、投げられるということ。故障やケガで穴を開けるというのがなく、常にローテーションの柱になれる投手。それが井川やったわ。体が強いし、スタミナがあった。よく投げた……の目安になる200イニング登板も簡単にクリアできた。そして・・・
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