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岡田彰布コラム

金本監督はメリハリよくできている。今年の阪神、投手陣では藤浪次第、打線は新外国人のヘイグ次第やな

 

今年は藤浪がエースになる年や。抑えはドリスが良いと思うが……


 時の流れは早い。ホンマ、早いね。始まったと思っていたキャンプも、早くも中盤に入ったもんな。オレは1月31日、キャンプイン前日に沖縄に入り、2月1日は宜野座の阪神キャンプにいた。ところが寒い。震えるほどの寒さやし、おまけに朝からずっと雨よ。メーン球場が使えず、ドームでの初日となったわけ。これで思い出すことがあるわ。オレが一軍の監督になった2004年。この年もキャンプ初日が雨やった。当時、宜野座にはドーム球場は建設されてなく、仕方なく宜野座より那覇よりの、石川の室内練習場でキャンプインということになった。

 いきなりの雨……って、ちょっとイヤな感じだけど、ドーム球場が立派やし、自然現象には勝てない。仕方がないわ。金本(知憲)新監督も割り切って、スタートを切ったと思うよ。

 そこから第1クールを見て、大阪に戻ったんやけど、その4日間は、天候も優れぬまま、チームとしてのキャンプ評価など、できる状況ではなかった。まだまだ判断する材料もないし、仕上がり度はこれから……ということで見終えたわけだが、オレなりに第1クールで感じたことを書いてみる。

◆投手陣

 ブルペンで投手陣の投球を見たが、肝心の藤浪(晋太郎)が初日から投球練習しなかった。まあ、いろいろと事情はあるのだろうが、オレは今年の阪神は藤浪次第……と思っている。ただ肩の状態とか、藤浪自身、考えているのだろう。その後、ブルペンで投げているところを見たが、探りながら投げているという印象だった。ただ、第2クールからは報道を見る限り、本来の投球を続けているということなので、まずは心配はあるまい。

 今年はプロ4年目である。1年目からずっと先発ローテーションを守り、エースへの道を歩んできた。そして今年、藤浪が真のエースに上り詰めるシーズン。オレはそれを期待している。エースとして、ふさわしいイニング数を投げること。勝ち数と負け数。これで、いかにひとりで貯金を多く作れるか。さらにチームの危機を救える投手に。藤浪に求められることは、本当に多くなるけど、ここまでの成長度をみれば、クリアしていける力を備えた……と、オレは確信している。

 藤浪がエースになるシーズン。それでいい。メッセンジャー、岩田(稔)、能見(篤史)、そして藤川球児、岩崎(優)と先発スタッフはそろうが、そろそろ藤浪が軸になって回る投手陣になるときだ。それがうまくいけば、充実の投手陣になる……と、オレは大きな期待を寄せている。

 それとは別に、クローザー問題がある。新たなクローザー候補、新外国人のマテオをチェックしたが、怖さというか、迫力がない。実にまとまった投球ファームで、素直な印象。直感だけで書くと、少し厳しいか……という感じがしてならない。それならもう一人の新外国人投手、ドリスのほうが荒々しくて、クローザー向き……とオレは思ってるけどな。

ヘイグがマートンの穴を埋められる可能性があるわ


◆打線

 ここもオレは新外国人打者次第と見ている。マートンが抜けた穴よ。これはとてつもなく大きいわ。そこを埋められるのか。ヘイグにかかる負担は大きくなるわな。見た感じは、やさしそうで、大丈夫かいな……という印象やった。ただフリー打撃を見て、オレはまず合格点を出したわ。まだ状態も完ぺきでない早い段階よ。アメリカでの調整経験から、ここまで早い始動はなかったと思うけど、そのわりには、うまくスタートを切ったんじゃないだろうか。

 なかなか大きいのはないかもしれないけど、とにかく外国人バッターによくあるクセがヘイグには見受けられないのよ。頭の上にバットを掲げ、そこから降ろしてくるのだが、それでバットが遅れるとか、遠回りするとかのクセを、オレは感じられなかった。実にスムーズだし、バットの出方もいい。あとはインコースをいかにさばくか……という、外国人バッターの課題に直面したときやろな。でも、想像していた以上に素直なスイングだし、克服できる可能性は高い。現段階では、それなりの成績を残せる……というのがオレの見立てよ。

第1クールを見ただけやけど、新外国人のヘイグ[写真左]は第3クールの紅白戦では2安打を記録したように、素直なスイングをしているわ。期待できる



 そこにゴメスよ。ゴメスは今年、相当、打つよ。とにかくキャンプ第1クールから見て、体が実にシャープで、キレがある。過去2年、キャンプでうまくスタートできなかったという後悔もあっただろうし、金本監督にも指摘されていたようだ。体を絞り、状態を整えてキャンプに入ったようだし、このまま調整していけば、オレはかなりの数字を残すと見る。ということは四番・ゴメス、そしてヘイグがどこを打つか。この2外国人で打線を引っ張る。そういう形になれば、十分、他球団と打ち合いでも戦えるに違いない。

金本知憲監督

 初の監督としてのキャンプやし、やりたいこと、考えていることがいっぱいやろな。それは動きに表れていて、やはり監督が目立つもんな。これは仕方ないわ。オレもそうやったな。1年目のキャンプ、いままでにないことを取り入れようとか考えたもんよ。だけど、なんでもかんでも、できるわけがない。監督として、まず「見る」ということも考え、そして「任す」ことも頭に置いたわ。コーチに任せ、自分は見ること。これが重要な要素ということが分かったもんね。

 金本監督もコーチに任せるところは、任せているようだし、伝えなければならない部分は、積極的に声を出している。このメリハリがいいわけなんよね。とにかく、ここから監督にとってつらいのはケガ人が出たときよ。いくら準備を進めているといっても、主力の故障は痛い。だから、無事、完走して、それも故障者が出ないことを祈っておく。(デイリースポーツ評論家)

PROFILE
おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデングラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。09年から12年はオリックスの監督として指揮を執り、13年からは野球評論家として精力的に活動している。
岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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