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岡田彰布コラム

岡田彰布コラム「外国人の補強は難しいな。確実なのは日本球界からの移籍。阪神は昨オフから調査していたソラーテを獲得したがどうか?」

 

両打ちのソラーテを獲得した阪神。昨年オフから調査していたらしいが、さて反撃の起爆剤になるか!?/写真=Getty Images


日本を経験した外国人を獲得するのも一つの手やな


 セ・リーグはまさに巨人の“1強”状態。2位以下を大きく引き離し「独走」の様相よ。この巨人の打線、目を引くのが“六番打者”の存在。ここに新外国人選手のビヤヌエバが座る。四番候補、クリーンアップをと期待されたが、当初は思惑外れ。元本塁打王のゲレーロがいて、先発を外れることが多かったけど、今や堂々の六番打者よ。

 守備もいい。三塁手として十分なディフェンス力を示し、バッティングも意外性を大いに発揮。ホンマ、いい働きを見せている。何も外国人打者=四番バッターではない。ビヤヌエバのように六番で、勝負強さを見せてくれるほど、チームにとっても頼もしいものはない。そういう打線を組めるのが巨人の強み。オレはそう見ている。

 やっぱり外国人選手への依存度は相変わらず高い。打者、投手ともにそうで、現在、苦しんでいる阪神は典型的な例となる。セットアッパーのジョンソンがいなかったら、と考えるとゾッとする。しかし打線は逆よ。虎打線の得点力不足の象徴といえるのが外国人打者の力不足やろな。マルテは打率的にはソコソコやけど、やっぱりホームランが少な過ぎる。外国人打者=本塁打。この期待値からいくと、ほど遠い数字と言わざるを得ない。

 阪神の外国人と言えば……やっぱりバースやろね。まあ彼は別格だが、それでも阪神に来日したときには、2番手の野手で、同時入団のストローターというバッターが注目されていた。それに逆転現象が起こり、バースが日本を席巻。ホンマ、分からんもんやけど、勉強して日本球界になじんだことは事実。努力はオレも間近で見てきた。

 現役を終え、コーチになってから印象深いのが2003年の優勝に貢献したアリアス。四番を打つこともあったけど、そのほかの打順でも、ここ一番でよく打ってくれた。ホームランが打て、打点も多かった。何より日本球界に慣れていた。アメリカ球界から阪神に来たわけでなく、オリックスからの移籍。ある意味、その経緯が重要やったと思う。リーグは違うけど、日本の投手の傾向を熟知し、対応できた。こういうプロセスの選手を獲得するのもチーム補強のひとつの考え方やと思うな。

やはりチーム強化はいまだに外国人次第やな


 2005年の優勝のときも同様やった。オレは監督やったけど、外国人バッターの補強に際し、球団にタイロン・ウッズ獲得を要請した。ウッズがフリーになるという時点で、方針はまとまったけど、争奪戦に敗れ、さあ、次はどうする? となったとき、オレはシーツを……と考えたわけ。その時点でのチーム構成は、四番・金本(金本知憲)は絶対やった。だからその前後を打ってる右バッター、そして一塁手が条件やった。それに合致したのがシーツよ。

 広島時代、ショートとして素晴らしい守備力を誇っていたが、阪神のショートは鳥谷(鳥谷敬)がいる。だからほしいのは一塁手であり、シーツの守備力なら言うことなし。打ってもソコソコのホームランは打つやろな……と考えていたとおり、シーツはリーグ優勝に大きく貢献してくれた。03年のアリアス、05年のシーツと、共通点は日本球界の経験があっての加入ということ。ギャンブル的要素の強い外国人補強でいえば、ホンマ、外れのリスクが小さい方策やと感じるわけよ。

 こういう補強はイメージ的に新鮮味に欠け、消極的補強に見られがちやけど、そんなこだわりは関係あらへんのよ。要するに外国人選手にふさわしい働きをしてくれたらいいわけで、今も例えばDeNAのロペス、ソフトバンクデスパイネロッテレアードは日本球界で順応力の高さを示している。

 話を阪神に戻すと、球団も得点力不足の解消に動いた。シーズン途中での補強を進め、ソラーテという新外国人獲得を発表した。この時期に、新たに加わる外国人となると、過去の阪神の例から大きな期待は持ちづらい。過去に活躍したのはブラゼルくらいやと思うけど、今回のソラーテはどうなのか……。

 オレなりに入手した情報では、緊急事態であわてて調査したという選手ではなく、昨年オフから候補としてチェックしていたと聞いた。結局はマルテに落ち着いたのだが、本来の本命候補というのであれば、やっぱり期待を寄せたくなるのよね。とにかく守備のことはいい。まずは打ってくれることよ。それも超人的な働きをしてくれること。それ次第で、阪神の巻き返しがあるかどうかが決まる。それほど重要な補強と、オレは位置づけをしているわけ。

 昨年のロサリオのようなケースもある。外国人に関してはホンマ、当たり外れがある。外国人担当者が実際に見ていても、球団、監督がチェックするのは送られてきたビデオになるわけで、そのほとんどは「セールスビデオ」というわけ。結果がいいときのビデオを見せられて判断するため、悪い状態のときの資料がほとんどない。それが対処法の難しさになるのだ。

 現実として、外国人選手次第という依存度は変わりない。バッター、投手とも外国人選手がいい働きをしているチームは、それなりに戦っている。若手の育成、成長がチーム作りの根幹をなすけど、その一方で、外国人補強はチーム強化には不可欠な要素。阪神が行った今回の緊急補強は果たして……。ソラーテがバースのような働きを……は過剰な期待だが、ホンマ、こればっかりは実際に打席に立つまで分からない。(デイリースポーツ評論家)

PROFILE
岡田彰布/おかだ・あきのぶ●1957年11月25日生まれ。大阪府出身。北陽高では1年夏の甲子園に出場し、早大では東京六大学リーグ歴代1位の打率(.379)と打点(81)をマーク。80年ドラフト1位で阪神に入団。1年目からレギュラーとして新人王を獲得。21年ぶりのリーグ優勝、日本一を達成した85年は五番打者としてベストナイン、ゴールデングラブ賞。94年にオリックスへ移籍し、95年限りで現役引退。通算1639試合、打率.277、247本塁打、836打点。オリックスで2年間指導の後、98年に阪神復帰。二軍監督などを経て、04年から08年まで監督を務め、05年はリーグ優勝に導いた。09年から12年はオリックスの監督として指揮を執り、13年からは野球解説者として精力的に活動している。
岡田彰布のそらそうよ

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選手・監督してプロ野球で大きな輝きを放った岡田彰布の連載コラム。岡田節がプロ野球界に炸裂。

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