線は細いが、速いスイングから放たれる打球は強烈だ。このオフは坂本勇人(巨人)とも自主トレをともにした。目指すべき選手から学ぶべきことはたくさんあったが、現在は何よりも土台となる体づくりに重点を置いている。将来の主軸を担う選手として期待は大きい。
取材・構成=阿部ちはる　写真=斎藤豊、BBM


　2022年ドラフト1位で入団も、まだ一軍デビューを果たしていない。そこには「しっかりと育てて大きい選手になってほしい」という球団の育成プランがあるからだ。欠点がなく、攻守走のレベルが高い。特にスイングスピードの速さには定評があり、その素質と伸びしろに石井一久監督もほれ込んだ。ドラフト指名後、石井監督は「3年後、4年後を見据えたプランニングをしていかないといけない」と語り、実戦よりもまず、体づくりに取り組んでいる。

──今年は春季キャンプを一軍で過ごし、オープン戦にも出場しました。一軍選手との練習や対戦で得た収穫を教えてください。

吉野　2年目で一軍のキャンプに呼んでいただいて、とても貴重な時間を過ごすことができました。僕はまだまだ足りない部分も多いので先輩方から話を聞くことで学ぶことも多かったです。

──印象に残っているアドバイスはありましたか？

吉野　辰己(辰己涼介)さんに守備範囲を広げるにはどうしたらいいのかを聞いたときに「一歩目が大事」だと教えていただきました。各バッターの打撃スタイルなどを頭に入れておくこと。そうすることで打球へのアプローチや一歩目は早くなります。(打球に間に合う)確率が増えていけば自信をもって動き出すことができますし、そういった経験を重ねることで守備の幅も広がっていくのだということを教わりました。辰己さんは球界でもトップクラスの守備範囲を持つ選手。とても貴重なアドバイスをたくさんいただきました。

──オープン戦の途中から二軍で過ごし、シーズンではまだ試合の出場がありません。現在の課題を教えてください。

吉野　ファームに行く際に石井監督からは、「体がまだ出来上がっていないから、体づくりをしっかりとやってきなさい」と言われたので、今はトレーニングをメインに取り組んでいます。

──体づくりに関しては昨年から食事面も含め、重点的に取り組んでいますね。

吉野　ウエイトも含めたトレーニングや食事にはとても気を使っています。また・・・