投手を支える縁の下の力持ちは、試合でマスクをかぶる捕手だけではない。ブルペン捕手もまたその一人である。一軍のブルペン捕手を務める大塚淳さんは背番号114のユニフォームを身にまとい、投手を全力で日々サポートしている。 取材・文=小林篤 写真=井田新輔、ヤクルト球団 内野手からブルペン捕手に
父・大塚徹(元ヤクルトほか)の出身校でもある土浦三高時代は内野手としてプレー。2003年に入団したヤクルトでも主な守備位置は内野だった。だが、現役を引退した今はブルペン捕手としてマスクをかぶり、投手をサポート。人生は何が起こるか分からない。 高校野球を終えて進路を考えたときに、もちろんあこがれであるプロ野球選手になることを目指していましたが、一方で別の道も考えていて、柔道整復師の資格を取るために専門学校に行くという選択肢も頭にありました。接骨院の先生にケガを治療してもらったときの思い出が大きく残っていて、当時から選手を支える職業には興味を持っていました。
そしてヤクルトから指名を受けてプロの世界に入ったわけですが、強豪でもない普通の県立校の選手でしたから、入団当初はプロのレベルの高さに戸惑いました。最初の1~2年は下積みの時期で、毎日泥まみれになりながら練習していた思い出があります。その練習の成果もあって、3年目以降は二軍での出場機会も徐々に増えてきました。その中で、今のブルペン捕手につながる出来事がありました。
当時のヤクルトは育成選手の数も少なく、今よりも選手数に余裕がありませんでした。そのため、ケガなどで捕手が離脱してしまった場合に備えて、捕手の練習をする機会がありました。実際に試合途中に捕手がプレーできなくなり、急きょ僕がマスクをかぶるということが数試合ありました。その経験が今の仕事につながるとは当時はもちろん思っていませんでした。
09年限りで引退し・・・
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