チームが戦う上で欠かせない、対戦相手の情報。スコアラーはそれを収集して分析し、監督やコーチ、選手に共有して意思決定を助ける、縁の下の力持ちだ。豊富なプレー経験で培われた観察眼を駆使し、情報とコミュニケーションでチームを支えている。 取材・文=相原礼以奈 “先乗り”の役割
2004年ドラフト1位で入団し、広島一筋19年の現役生活を送った。捕手として長くプレーしてきた先に、鈴木清明球団本部長から打診されたのは、『捕手の目』を生かしてチームを支えるスコアラーの道だった。一度は自宅に持ち帰って検討したものの、引き受けたことは自然な流れだったと語る。
「19年も選手としていさせてもらって恩もありますし、どういう形で力になれるか分からなかったですが……野球に、チームに携われることが一番だとは思っていました。その形がスコアラーだったということで、後日ですが、『よろしくお願いします』と。もともと、どんな仕事でも、受けるつもりではいました」
球団のスコアラーには大きく2種類、チームに帯同するチーム付きスコアラーと、今後対戦する相手チームの視察や分析を担当する先乗りスコアラーがいる。互いに情報を共有しながら動き、データの分析に特化したアナリストらとも連携して業務に当たっている。
白濱さんは、
DeNA担当の先乗りスコアラー。自チームとの対戦の直前2カードの試合を視察し、情報収集・分析してチームに共有するのが主な仕事だ。
担当のチームの視察時、前日には現地入りし、当日の試合前練習から見る。バックネット裏で試合を見ながら、投手の投球のコースやスピード、球種などを、タ
ブレット端末に入力して記録する。
試合後はホテルに戻り、収集したばかりの情報を基にした資料作成に着手。相手の先発投手、中継ぎ投手、各打者と、分析する情報は多岐にわたる。「パソコン(の操作)も、一からでした。高校のときに軽くはやっていましたが、20年近く使っていなかったので。いまだに誤字脱字はありますが」と苦笑しつつ、「すべて勉強なので、しんどいと思うことはなかったですね」と振り返る。
作業の合間には、自チームの試合映像をチェック。直近の試合を把握することで・・・
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