
円陣を組む中日ナインの後方の座席に観客はいません。ヤジなどのプレッシャーは感じませんが、選手たちは違和感があるはず。それでも一流選手なら平常どおりの活躍をします/写真=榎本郁也
いよいよ、開幕しました! と言いたいところですが、このコラムの話をしているときは、まだ開幕前です。先日、野球解説で神宮球場に行きました。そのときの練習の雰囲気や、報道陣の数の少なさがすごく気になりましたね。そして何より、ファンがいない中で試合をやるのが異様な感じでした。
30年以上プロ野球の中で生きてきた人間にとって、蒸し暑い季節の中で、熱狂的なお客さんが試合前から球場に入っていて、その中で練習したりするということが、当たり前として体の中にしみ込んでいるわけです。しかし、ふだんならシーズン半ばの蒸し暑い季節に、お客さんがいない……この異常さが、新型コロナウイルスをさらに脅威に感じてしまう要因にもなってしまうのです。
都内の私の家の近くの公園。ブランコなども縛られ使えない。「肉蔵でーぶ」のある新橋の人の少なさ、というのを目の当たりにして、新型コロナの恐怖を感じたりしていましたが、それ以上に、慣れ親しみ、生活をかけていた場所、球場が今まで経験したことのない雰囲気になっている。そこにこのウイルスの脅威をさらに感じてしまったのです。
その異様な雰囲気の中で始まるプロ野球。選手たちは・・・
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