
日本人選手の目の前でさまざまなトレーニングをする大谷[右]とダルビッシュ[左]を見るだけでも大きな財産ですし、さらにそれを教えてくれるのですから……日本野球界にとっても有意義な時間だったと思いますね[写真=高原由佳]
本拠地の東京ドームに帰ってきたのが3月18日。それまでは大阪、九州を回り、打線もアウェーの戦い方をしていました。その遠征の間、東京ドームはすごい熱気に包まれていました。
3月16日のイタリアとの準々決勝、すごい戦いになりましたが激戦を制し、アメリカへ優勝を奪いに旅立ちました。このコラムを読んでいただいているときには結果が出ています。そのときはどうなっているのか、楽しみにして吉報を待ちたいですね。
前回もWBCについてお話をしましたが、今回は大谷(
大谷翔平=エンゼルス)と
ダルビッシュ有(パドレス)について話をします。まあ、あらためてテレビで見るだけでも2人とも「化け物」ですよ。特に打撃では大谷。原(
原辰徳)監督がWBCのゲスト解説で言っていましたが、
巨人に帰ってきて、私たちに大谷の打球スピードが190キロ出たと言われていたんですね。
これってとんでもないスピード。巨人では岡本(
岡本和真)が170キロくらいなんです。ケージの後ろから和真の打球を見るたびにえげつない打球を打つなあ、と思っていたのですが、そこからさらに20キロも速い打球を飛ばす。いやもう次元が違います。どうやってあそこまで進化したのか、と興味があります。
私の意見を言わせてもらうと、やはりまずは、進化させるだけの体力があるのではないかな、と思います。和真も、ほかの日本人選手たちも、まずはトレーニング法を聞くチャンスで、自分が進化できるチャンスだったと思います。
もちろん、ダルビュシュも投手陣に自らいろいろな話をして、周囲にもいい影響を与えていると思います。それを今度はチームに持ち帰っていくことで、日本の野球界の進歩、進化につながるのではないかと思うんですよね。
ただ、皆さんが思っているトレーニングはウエート・トレーニングじゃないですか? トレーニングはそれだけではなくて、自重や細かい筋肉など、総合的に鍛え上げていくトレーニングがあります。大谷にしてもウエート・トレだけで鍛えられた筋肉ではなく、いろいろな部分を計画的に鍛え上げていった肉体。そのトレーニングを聞いて参考にしていけば、その選手は必ず飛躍するはずです。
日本で大谷やダルビッシュのトレーニング法の良い部分が取り入れられ、選手たちの体力がさらに上がったら日本の野球はとんでもなく強くなりますよ。なぜならもともとメジャーよりも細かい野球ができる文化がありますし、配球を読んだり、駆け引きをしたりする野球ができる。パワーを持ち合わせて、かつ細かい野球もできる。鬼に金棒状態の日本のプロ野球になる可能性を秘めています。
それくらい、参加した2人のメジャー・リーガーの存在は、大会の結果よりも、未来に向けて大きな、大きな可能性を見せてくれたんじゃないかと感じています。
PROFILE 大久保博元/おおくぼ・ひろもと●1967年2月1日生まれ。茨城県出身。水戸商高から85年ドラフト1位で
西武に入団。トレードで巨人入りした92年に15本塁打。95年現役引退。野球解説者やタレントを経て、2008年に西武コーチに就任し日本一に貢献。12年からは
楽天打撃コーチ、二軍監督を経て15年に一軍監督に就任した。15年限りで辞任し、16年から新橋に居酒屋「肉蔵でーぶ」を経営。22年秋に巨人の一軍打撃チーフコーチに就任した。
デーブ大久保チャンネル
https://www.youtube.com/channel/UCKa1VlSq1WwdSQWv4JFdgxg デーブ大久保ツイッター
https://twitter.com/daveohkubo