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立浪和義のコラム

立浪和義コラム「終盤の戦いのカギを握る1点の重要性」

 

ヤクルトのカギを握る川端


巨人優勝は菅野次第か


 阪神の独走状態となっていたセ・リーグですが、後半戦に入り巨人、ヤクルトが追い上げ、3強状態となっています(9月5日現在)。

 この中で一番抜け出す可能性が高いのは、経験豊富な原辰徳監督が率いる巨人かなと思っています。もともと戦力的には頭一つ抜けていましたが、故障者が多く、なかなか万全の戦いができないままでいました。

 それがここにきて投打のバランスが整い、あとは何と言ってもエース・菅野智之投手の復活です。9月1日のヤクルト戦(京セラドーム)では8回を被安打1、無失点。まだ手探りのところもあるでしょうが、球速も戻ってきましたし、変化球、制球力ともよかった。実力者ですし、体さえ万全ならシーズン最後までチームをけん引していくと思います。

 9月3日からの対巨人(甲子園)に2勝1分けと勝ち越し、首位を走る阪神ですが、新人の佐藤輝明選手がスタメンから外れる時期もあり、やや打線は湿り気味です。それ以上に心配なのは先発投手ですね。抑えのロベルト・スアレス選手をはじめ、勝ちパターンのリリーフはそろっているのですが、西勇輝投手、青柳晃洋投手ら先発の柱となっている選手の状態が上がってこない。再び独走態勢に入っていくためには、まず、この先発陣をいかに立て直すかでしょう。

 3位のヤクルトは開幕前の低かった下馬評からすれば大健闘が続いていますが、強みであった打線が湿ってきました。結果的に投打のかみ合いも悪くなり、勝ち切れない試合が増えています。ただ、打線は水モノです。村上宗隆選手、山田哲人選手と実力者がそろっているだけに、再び上がってくる可能性は高いと思います。

 ただ、これからヤクルトが首位を狙うとすれば、改善すべき課題も当然あります。それが終盤の戦い方です。いかに1点をもぎ取るか、いかに1点をやらないかですね。残り試合が減り、しかも今季は9回打ち切りとなっているだけに、今まで以上に1点の重要性は増していきます。

1点に貪欲な姿勢を


 いくつか試合から例を挙げてみます。まず好材料ですが、9月2日の巨人戦(京セラドーム)で、1対1の9回表に川端慎吾選手が代打で登場し、初球内角の速球を無理なくセンターにはじき返しました。ずっと無失点を続けてきたビエイラ選手からのタイムリーですから大きな意味があると思います。

 同点の9回ですから、どうしても緊張から力が入って手が出なかったり、強引に引っ張りにいって詰まったりファウルが多くなるのですが、さすがベテランです。川端選手は、代打メーンで打率.373、得点圏が.414と極めて高く、これからの戦いの切り札になっていくと思います。

 一方でせっかく川端選手の一打で勝ち越しながら、その裏、抑えのマクガフ選手がつかまって2対2の引き分けに終わりました。外国人投手に時々、見受けられるのですが、早く試合を終わらせようと思うのか簡単にストライクを投げてしまうことがあります。球の力はあるので、もう少し慎重に投げてほしかったと思います。

PROFILE
立浪和義/たつなみ・かずよし●1969年8月19日生まれ。大阪府出身。PL学園高からドラフト1位で中日入団。1年目からショートのレギュラーをつかみ、新人王、ゴールデン・グラブ賞に。95年から97年とセカンド、2003年にはサードでと3ポジションでゴールデン・グラブ賞に輝いている。09年限りで現役引退。通算2586試合2480安打、135盗塁、打率.285。487二塁打は日本記録である。18年野球殿堂入り。
立浪和義の「超野球論」

立浪和義の「超野球論」

そのときどきで気になった選手や試合、さらに、私が感じたポイントについて書いていきたいと思います。野球をより深く知りたいという方、また、もっともっと野球がうまくなりたいという中学、高校生のみなさんにも参考になる連載になればと思っています。

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