西武の正遊撃手として、しっかりと働いているルーキー・源田
インタビューでじっくり話してみると、謙虚過ぎるくらい謙虚だった。来週水曜日発売(一部地域を除く)の『週刊ベースボール』の「ルーキー特集」に掲載するために西武のドラフト3位ルーキー・
源田壮亮の下へ向かった。だが、チームの懸案だった正遊撃手の座をがっちりとつかみ、好成績を残している男の口から威勢のいい言葉はまったく出てこなかった。
周囲の評価の高さを伝えても、「まだミスが多いので」「一生懸命にやるだけです」。しかし、それはある意味、源田の“強さ”の裏返しでもあるように思う。まだシーズンは始まったばかり。いずれ来るであろう不調の時期を、どう乗り越えるかが大事だ。決して自己評価が低いのではなく、過信が過ちを生むことをしっかりと分かっているのだろう。話を聞きながら、源田のメンタリティをそう推察した。
ここまでプロで対戦して、度肝を抜かれたボールをほうってきたのは
オリックスのクローザー・
平野佳寿だという。
「平野さんの真っすぐとフォーク。勢いがものすごかったですし、フォークは真っすぐだと思ったらワンバウンドして空振り。アマではなかったボールでした」
確かに平野とは3度対戦して、1三振、ノーヒットに抑えられているが、源田の言葉を額面どおりには受け取れない。ひそかに虎視眈々と逆襲の時を狙っているように思う。
移動中は読書にいそしむ。ジャンルはミステリー系が多い。現在、読んでいるのは東野圭吾の『嘘の戦争』。いずれ、インタビューアーとしても源田の本音を解き明かしたい。
文=小林光男 写真=井手秀人