一番打者ながらすでに10本塁打。強打で打線を引っ張るのが茂木だ
昨季は交流戦前に泥沼の8連敗を喫したが、交流戦では打って変わって貯金4と好調に転じた。今季は交流戦スタート時点でパの首位を堅持しており、まったく別のチームに生まれ変わった感がある。得意の舞台で、その勢いをさらに加速させることができるか。
先発陣が安定していることが大きい。予定されていた
岸孝之がインフルエンザで一時離脱したため、開幕投手に抜てきされた
美馬学。
オリックス・
金子千尋との投げ合いでは勝ち負けがつかなかったが、その後は安定したピッチングでここまで5勝。
楽天躍進の立役者と呼べそうだ。
エース・
則本昂大はWBCでの疲労を考慮され、2カード目から登場。序盤に打ち込まれるシーンもあったが、しっかりと修正を施し、日本記録に並ぶ6試合連続2ケタ奪三振をマークするなど、その名にふさわしいピッチングを続けている。昨年の交流戦も3勝0敗と相性が良く、今年も奪三振ショーが見られるはずだ。
また救援陣の活躍も序盤戦のハイライトとなった。7回・
森原康平、8回・
ハーマン、9回・
松井裕樹という新勝利の方程式が序盤から機能。さらに、主に6回に登場して相手打線の勢いを止める
福山博之、ロングリリーフもできる
菅原秀などが脇を固める。
活発な打線も投手陣をしっかりともり立てる。今季の新打線、その目玉は、「二番・ペゲーロ」を軸にした超強力打線だ。一番・
茂木栄五郎は序盤戦で早くも10本塁打をマークし、球団の生え抜き初の2ケタ本塁打をマーク。長打も打てる一番に続くペゲーロは、ここ一番での一発で首脳陣の期待に応えている。開幕からしばらく鳴りを潜めていた主砲・
ウィーラーにも当たりが戻り、本塁打を量産中だ。
下位打線にもクセモノ打者が続く。
銀次、
島内宏明、
岡島豪郎という左打者トリオは、下位からでもチャンスメークができる頼もしい存在だ。
松井稼頭央、
今江年晶、
聖澤諒といったベテラン組がベンチに控えていることも心強い。
捕手陣は一時、
嶋基宏と
細川亨が同時に故障離脱するというピンチに見舞われたが、昨年経験を積んだ
足立祐一がカバーするなど、チームとして戦力が整っている。
写真=BBM