長いプロ野球の歴史の中で、数えきれない伝説が紡がれた。その一つひとつが、野球という国民的スポーツの面白さを倍増させたのは間違いない。野球ファンを“仰天”させた伝説。その数々を紹介していこう。 野球以外のスポーツも
1950年代から70年代、阪急などで活躍した米田哲也は22年間の現役生活で350勝をマークしたが、ただの一度も故障しなかったという。
子どものころからさまざまなスポーツをやり、野球一筋の大方の選手とは違った育ち方をした。サッカー、陸上、卓球、剣道など何でもござれで、ことにハイジャンプでは中学時代に170センチも跳んだそうだ。
こうしたいろいろなスポーツをやったことが、投手として長持ちした秘訣の一つかもしれないが、当の米田は「僕はクヨクヨしないタイプでしたからね。気分転換も早かったし、それに野球でKOされても、ほかのスポーツをやって忘れたりしましたから」と言っている。
949試合に登板し、完投が264もある。これだけでもすごいが、なんと入団2年目の57年から74年までの18年間もずっと2ケタの勝ち星をマークしているのである。これは、あの
金田正一(国鉄ほか)でもやれなかった大記録だ。
写真=BBM