いよいよ第100回の大きな節目を迎える夏の甲子園。その歴史にこそ届かないが、80年を超えるプロ野球を彩ってきた選手たちによる出身地別のドリームチームを編成してみた。優勝旗が翻るのは、どの都道府県か……? バッテリーは最強
県庁所在地で異国情緒が漂う神戸のイメージが強いが、北は日本海、南は瀬戸内海に挟まれ、その瀬戸内海には淡路島もあって、大都会の神戸でも新鮮な海の幸を味わえる兵庫県。西宮市には高校野球の聖地でもある甲子園球場があり、もちろん、プロ野球は
阪神ファンの本拠地で、虎党にとっても聖地だ。かつては西宮球場に阪急も本拠地を構え、その後身である
オリックスも長く神戸に本拠地を置いていた。
そんな兵庫県は最強の投手王国。プロ野球で通算300勝に到達した6投手のうち3人が兵庫県出身だ。
【兵庫ドリームチーム】
一(二)
山田哲人(
ヤクルト)★
二(遊)坂本勇人(巨人)★
三(右)
別当薫(阪神ほか)
四(左)
青田昇(巨人ほか)
五(三)
池山隆寛(ヤクルト)
六(捕)
古田敦也(ヤクルト)
七(一)
中島宏之(オリックス)★
八(中)
田口壮(オリックス)
九(投)
江夏豊(阪神ほか)
(★は現役)
歴代3位の320勝を残したのが「針の穴を通すコントロール」と評された“精密機械”
小山正明(阪神ほか)だ。317勝で4位に続くのは“草魂”
鈴木啓示(近鉄)。5位が“鉄腕”
別所毅彦(別所昭。巨人ほか)だ。
小山とともに巨人に牙をむいたのが“炎のエース”
村山実(阪神)で、別所とともに黄金時代を支えたのが
大友工(大友工司。巨人)。剛速球で主にクローザーとして日本シリーズで巨人を破ったのが
山口高志(阪急)で、同様に剛速球を武器に海を渡ったのが
伊良部秀輝(
ロッテほか)だ。
同じくメジャーでも活躍したのが
長谷川滋利(オリックス)で、現在もメジャーで活躍を続けているのが
田中将大(
楽天。現ヤンキース)。現役にも
能見篤史(阪神)がいる。
ここでは通算勝利と通算セーブを合わせれば399という驚異的な数字となる江夏豊をエースに据えたが、この投手陣が継投するだけで一発勝負では負ける気がしない。江夏と山口のクローザー二枚看板で、ほかの投手で先発ローテーションを組めば、長期戦も安泰だ。
司令塔は屈指の頭脳派で、強打者でもある古田敦也。捕手ではリードに定評があった
村田真一(巨人)、チームの大先輩でもある
藤尾茂(巨人)もいて、荒くれ者の多い投手陣だが、捕手の“三本柱”が巧みに操縦してくれるだろう。
現役とレジェンドの“新旧”強打者

ヤクルト・山田哲人
古田と同じヤクルトのチームメートで同学年なのが三塁に入った“ブンブン丸”池山隆寛。打順は池山が五番、古田が六番で並んだが、相手投手によって入れ替えてもいい。
その後輩の山田哲人も兵庫県出身だ。現役の好打者が多いのも特徴で、山田と二遊間を組むのは坂本勇人。打順でも一、二番でコンビを組んで、攻撃的な打線を引っ張っていく。
二塁手ではV9の
土井正三(巨人)もいて、巨人の“新旧”二遊間も、池山を遊撃に戻してヤクルトの“新旧”二遊間も可能だ。
現役の後輩には外野手の
坂口智隆(ヤクルト)もいるが、その古巣のオリックスからは現役で内野手の中島宏之(中島裕之)、同じ外野手でメジャーでも活躍した田口壮が七、八番に並んだ。遊撃や三塁を多く守ってきた中島は近年の一塁に。堅守を誇った田口は外野の要として中堅に入る。
田口の両翼を担うのは、現役の好打者とは対照的に、1リーグ時代に伝統の2チームで主砲を務めた強打者だ。右翼は阪神“ダイナマイト打線”の別当薫と、左翼は巨人の“じゃじゃ馬”青田昇で、打順でも強力クリーンアップ。ここでは控えに回った内野手の
今岡誠(阪神ほか)と別当の阪神”新旧”クリーンアップでもおもしろい。外野手では
松本匡史(巨人)や
屋鋪要(大洋ほか)らの韋駄天も控えていて、守備や走塁のバックアップも万全だ。
小玉明利や淡口憲司、
羽田耕一ら近鉄勢も控えている。投手陣に負けず劣らず、打線も最強クラスだ。
写真=BBM