
昨年のデビュー戦で初勝利を挙げた綾部。今は実戦復帰に向けて一歩一歩階段を上っている
プロ初登板、初勝利から約1年。高卒3年目の
綾部翔は、奄美の秋季キャンプには参加せずに、横須賀のベイスターズ球場で体を動かしていた。今季は一軍、二軍ともに登板なし。実戦復帰へのリハビリメニューと向き合う毎日だ。
颯爽とプロ初白星を手にした。2017年10月3日の
中日戦(横浜)で初登板&初先発。緊張の中、初回2三振を含む三者凡退で立ち上がると、5回4安打無失点の好投でプロ初勝利を飾ってみせた。今季は同じ高卒右腕で一つ年上の
飯塚悟史らとともに、先発ローテ争いに加わると予想されていた。
右肩に違和感をおぼえたのは、初勝利の直後だった。「いい投球ができるようになって、腕が振れるようになったと同時に肩がゆるいなと感じて。何かぶつかっているような感じでした」。
宮崎のフェ
ニックスリーグで1試合に登板するも肩は戻らず、横浜に戻った。年が明けてキャンプを迎えても違和感は消えずに、悩んだ末に今年4月に横浜市内の病院でクリーニング手術を受けることを決めた。「ストレスが溜まりましたね。特に手術を受けるまでは『いつになったら投げられるんだろう……』と。でも決断してからはリハビリに専念していこうと、気持ちを切り替えることができた」。
手術は無事に終了。ボールを投げられない4カ月間はランニングで下半身を強化し、ウエートで体を鍛えた。「故障の原因は肩以外にもあるので、弱い部分を強化しました」。そして、8月にキャッチボールを再開。現在はブルペンで投球ができるまでに回復している。
DeNAの先発陣は
石田健大、
今永昇太、
濱口遥大、
東克樹らサウスポーがそろう一方で、右腕は少ない。
井納翔一、
平良拳太郎に続く先発として綾部に寄せられる期待は大きい。
「平良さん、飯塚さん、京山(
京山将弥)の活躍は刺激になります。来年は何とか追いついて、追い越すくらいの気持ちでやりたいです」
11月7日には自身のツイッタ―で入籍を発表。「おめでとう」と伝えると「ありがとうございます。恥ずかしいですね……」と照れた。将来の伴侶を得た21歳の長身右腕は覚悟と自覚を胸に、プロ4年目を復活のシーズンにするつもりだ。
文=滝川和臣 写真=BBM