
昨年まで10年間在籍した巨人から楽天へ移籍した橋本
プロ11年目を迎える
橋本到が楽天生命パークの室内練習場で汗を流している。
「新人の子たちと同じ心境かなと思いますけどね。10年やって、ちょうど節目というか。11年目としてまた新たな気持ちです」
2009年に仙台育英高からドラフト4位で巨人に入団。14年には103試合に出場するなどアピールしたが一軍定着とはならず、昨季はケガの影響もあり6年ぶりの一軍出場なしに終わった。
「左(ふくらはぎ)を痛めて右を痛めての繰り返しで……。2カ月ほどキツいリハビリをやって『さあいくぞ』ってときにまたゼロからになってしまう。5回くらい心が折れました(苦笑)」
ちょうど1年前の自主トレ期間中に痛めたが、まさかこれほど長引くとは思わなかったという。悔しいシーズンを終えた11月2日、金銭トレードによる楽天入りが伝えられた。「ポジティブな思いしかなかったですね。それが特に(地元である)楽天っていうのもあるかもしれないですけど。環境を変えるというのがひとつの手ではあると思いますし、こうやって地元でプレーできる、みんなも楽しみにしてくれているというのはモチベーションにはなりますよね」と笑顔を見せた。
リーグも変わり、本当の再スタート。その中で対戦したい投手として挙げたのが
ソフトバンクの
サファテだった。サファテが
広島在籍時に対戦したことがあり、「手も足も出なかった。衝撃を受けたピッチャーの一人」と振り返る。だからこそ「年数は経っていますけど、僕自身も10年経って、今どんな感覚なのかなっていうのは楽しみですね」と再び同じリーグで戦うこととなった縁を感じつつ、再戦へ闘志を燃やした。
「チームが変わったことによって僕のイメージというのはここから印象づけられる。まっさらな状態から始められると思うので、そういった意味では楽しみですし、それに向けていいスタートが切れるようにしっかり準備しなきゃいけないなと思います」
笑顔で汗をぬぐった橋本が、地元での再スタートに目を輝かせている。
文=阿部ちはる 写真=BBM