本塁打の打法名発表で、「引退」を明らかにしたSHINJO
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2006年4月18日だ。
振り返ってみれば引退ロードはのっけからサプライズで始まった。
「28年間、思う存分野球を楽しんだぜ。今年でユニフォームを脱ぎます打法」
4月18日、
オリックス戦(東京ドーム)。
日本ハムのSHINJOは第2号ホームランを放った。日本ハム移籍以来、恒例となっていた打法名発表の場を拝借しての衝撃宣言。試合後のお立ち台では「今シーズン限りでユニフォームを脱ぎます」と正式にファンに告げた。
広報との間では“合意”ができていたというが、監督、コーチ、選手、関係者に根回しをしない突然のアナウンスは、いかにもSHINJOらしかった。
自らの去就を表明したことによって残りの06年シーズンはすべて“SHINJO引退ツアー”のプレミアがついた。今季限りでグラウンドを去るのなら、見逃せない――実際、18日の試合は1万2560人だった観衆が、引退発表の翌日の19日には1万5892人、そのまた翌日には1万6004人と確実に増えていった。
突然の引退表明から一夜明けたゲーム前、円陣の真ん中に立った背番号1は、周りを騒がせたことをチームメートに謝罪すると「優勝してシャンパンファイトがしたい」と口にした。果たしてこのとき、どれだけのナインが「シャンパンファイト」の具体的なイメージを頭に描けたのだろうか――。
写真=BBM