
プロ野球史上2人目の通算200セーブを達成した高津
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2002年4月28日だ。
次から次へ、祝福の手が伸びてきた。花束を抱いて、
ヤクルトの
高津臣吾は穏やかな笑みを浮かべた。甲子園で行われた
阪神戦で、高津は3対1と2点リードの9回から登板。阪神打線に1安打されたが、無失点に抑えて6セーブ目をマーク。これが、通算200セーブの大記録となった。
ベンチに戻ると大きな拍手で迎えられたが、主役と同じくらいに喜んでいたのが、ほかの投手陣だった。「本当に良かった」とベテランの快挙に、みな口をそろえた。
ある若手投手は「高津さんの存在は大きいですよ」と言った。不動のクローザーとして、黙々と投げ続けてきた。一言、一言にも重みがあるが、注目すべきは野球に取り組む姿勢。ここ数年は右ヒジ痛との闘いでもあった。
「体調が良くなくて、痛いところをさすりながら投げたこともある」
決め球のシンカーはヒジに負担をかける。痛み止めを服用しながら、マウンドに上がる姿を投手陣は間近で見ているから、その苦労が痛いほど分かる。言葉よりも、そんなひたむきな姿が、ほかの投手陣を引っ張っていく原動力になっている。
セーブを挙げるには、そこに至るまでのしっかりとした投手リレーが必要になる。そして、その積み重ねた数字は200。「僕の数字でもあるけど、みんなの数字でもあるんです」と全員の栄光であることを高津は強調した。
写真=BBM