
川上(右)のプロ初完封に笑顔を見せる星野監督
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は1998年7月4日だ。
この日の
巨人戦(ナゴヤドーム)、
中日先発のドラフト1位ルーキー・
川上憲伸の立ち上がりは不安定だった。初回にいきなり2四球。しかし、すぐに並のルーキーではないアイデアを出した。
「次からセットで投げていいですか?」
自ら捕手の
中村武志に言ってピッチングを修正するや、6回一死までノーヒットノーラン。終わってみれば5安打、9奪三振でプロ初の完封勝利を収めて7勝目をマークした。
「最後はバテましたけど、そんな中で最後まで行けたのは自信になるし、精神的なスタミナもつきました」と川上。見事だったのは新人王のライバルでも
高橋由伸への投球だった。一ゴロ2本に、投ゴロ、右飛に打ち取り、4打数ノーヒットと抑え切った。大学時代は3割4分台と打ちまくられたが、プロでは12打数ノーヒットと完全に投げ勝っている。
この年のルーキーでは完封の第1号でもあった。「入団時に(川上を)“将来のエース”と言ったが、“将来”だけ余分やったか」と
星野仙一監督は手放しで称賛した。
写真=BBM