8月19日のロッテ戦(福岡ドーム)の2回裏二死一、二塁でファウルフライを打ち上げたニエベスだったが……
プロ野球の歴史の中から、日付にこだわってその日に何があったのか紹介していく。今回は2000年8月19日だ。
「ダム!(クソッ!)」とその瞬間、ニエベスは吐き捨てた。この日、福岡ドームで行われたロッテ戦。2回二死一、二塁でダイエーのニエベスはファウルフライを打ち上げた。そこまでダイエー打線は二死無走者から6連打という信じられないような乱れ打ち。ニエベスは「それに乗り遅れた」と悔しがったのだった。
さて、ファウルフライは上昇に上昇を続けて高さ64メートルの福岡ドームの天井を目指していた。そして、鉄のハリを直撃! さすがは前年、東京ドームの看板を越える特大ホームランを2本も放ち、この年も同球場で天井直撃打を2本打っている怪力男である。
天井を直撃した打球はどうなったか? これがファウルグラウンドに落下せず、一塁ベース後方のフェアグラウンドに落ちたからニエベスには超ラッキー、打たせた
和田孝志にはアンラッキーな一打になった。
福岡ドームのグラウンドルールでは、この打球はフェアとなりインプレー。ニエベスはこの間に一塁を駆け抜け、二塁走者はホームへ。かくて、ファウルフライがタイムリー(記録は一塁内野安打)に変じる珍事となった。
「打ったときはしまった、と思ったけどね」とニエベスは苦笑したが、もし落下せずに屋根の上で止まり、認定二塁打となった場合は賞金500万円が出るという話を聞かされると「エッ、それは知らなかった」と今度は悔しそうな顔をした。
写真=BBM