10月25日から11月4日まで京セラドームで開催される第45回社会人野球日本選手権。週刊ベースボールONLINEでは、同大会にまつわるさまざまな情報や知られざる秘話を『JABA公式サポーター』が日替わりで発信していきます。本日は田中優美さんです。

直球の球速増によりマウンドで余裕が

　今年のドラフトで日本ハムにドラフト4位で指名されたJX-ENEOSの鈴木健矢投手。同チームの山岡剛監督は鈴木投手を「制球が良くなり、球の力が強くなった」と褒め、「ドラフト関係なくやってきた選手です」と説明しました。

　高卒でJX-ENEOSに入社し今年で4年目となりますが、昨年も同様にドラフト候補と言われ続けていた鈴木投手。だけど、「プロへの夢はもちろんありましたが、ドラフトはほとんど意識していませんでした。今年はケガもしていたし、去年は成績が良くなかったので難しいかな、と。周りは期待してくれていましたが、自分では2年ともあまり期待していませんでした。」とドラフトを冷静にとらえ、周りと自分の温度差も感じていたようです。

　実際にドラフトで指名されたことについても「純粋にうれしいです。ですが去年のドラフトで漏れたときは、周りが期待してくれていたのに名前を呼ばれなかったことが一番苦しかったので、期待に応えられたのが一番良かったなと思います」と平静を保っているように見えました。

　山岡監督は制球と球の力を褒めましたが、自身はマウンドでの気持ちが良くなったと話します。今年の4月にケガをして、復帰するまでの5月から6月の1カ月で上半身の筋トレを重点的に行った結果、急激に球が速くなったとのことです。

「去年は140キロ出るか出ないかでしたが、今年は140キロ台中盤がずっと出るようになりました。球速が上がり、それまでスライダー中心の投球だったのが、ストレートで押せるようになったので、マウンドでの余裕が生まれました」と自信がついたことで落ち着いて投球ができていると言います。

　日本ハムは鈴木投手のほかにドラフト1位でJFE西日本の河野竜生投手、2位で東海理化の立野和明投手と社会人投手を3人指名しましたが、「2人とも年下なので、負けたくないです」と闘志を燃やしつつも「寒がりですが雪まつりも楽しそう！」と新天地への思いも募らせました。

　鈴木投手にとって社会人野球最後の大会となる日本選手権。チームは2回戦、日本製鉄鹿島戦に1対2で敗れました。鈴木投手に登板機会はありませんでしたが、プロでも力のあるストレートを見せてほしいです。

公式サポーター日本野球連盟YouTubeチャンネル
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PROFILE

とよしま・わかな●1986年12月14日生まれ。愛知県出身。ニックネームは「豊ちゃん、わかちゃん」。趣味は昼寝、特技は書道。

たなか・ゆみ●1992年5月21日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「ゆーみん」。趣味は動物とたわむれる、特技は脚が柔らかいこと。

わかな・なつみ●1990年10月24日生まれ。神奈川県出身。ニックネームは「なっちゃん」。趣味も特技もダンス。