投手陣のリーダーとしても重要な役割を担っている宮西
「選手たちの自覚をもう一段階上げ、意識改革をしないと(来シーズンも)ずるずる行ってしまう」
厳しい表情で口を開いたのは
日本ハムの中継ぎエースであり、投手陣のリーダー的な役割を担う
宮西尚生。自身は入団以来13年連続で50試合登板を達成したが、チームは4年連続で優勝を逃し、2年連続のBクラスに沈んだ。だからこそ、その言葉には現状のチームに対するもどかしさ、危機感が感じられる。
パ・リーグを制した
ソフトバンクとのゲーム差は「20」。日本シリーズでも見せつけた選手個々の力、貪欲なまでの勝利への意識、さらに巨大戦力の中で生き残るための術(すべ)、限られたチャンスをつかんでやるという強いマインド……。そのすべてがソフトバンクには存在し、一方で近年の日本ハムに欠けているものだった。
2021年シーズン、絶対王者にどう立ち向かっていくのか。その重要なファクターの1つが守備面の強化。北海道移転後の日本ハムは、センターラインを中心にした守り勝つ野球、相手のスキを突く野球でパ・リーグを5度制してきた。だが低迷している近年は、要所で守りのミスが目立ち、今季も守りから崩れてしまったシーンも何度もあった。この点についても宮西は「ミスすることによって成長はしますけど、同じミスをし続けている。正直、お粗末なプレーも多かった」と言及している。
もちろん野球にミスはつきもの。だが、失敗をどう次に生かすか。そこには高い志と意識が必要であり、
中田翔も伸び悩んだ
清宮幸太郎に対して「今年に関しては相手にならないというか、眼中にもないっていう感じ」とあえて強い言葉を口にしたのも、もう今年がダメなら来年はないぐらいの必死さ、熱を求めているからだろう。
ソフトバンクとの差をどう埋めていくのか。まずはディフェンス面での強化、さらにはそれを体現する選手1人ひとりの意識改革。2021年シーズン、打倒ホークスに向けた戦いはもうすでに始まっている。
写真=BBM