3年前に創刊60周年を迎えた『週刊ベースボール』。現在、(平日だけ)1日に1冊ずつバックナンバーを紹介する連載を進行中。いつまで続くかは担当者の健康と気力、さらには読者の皆さんの反応次第。できれば末永くお付き合いいただきたい。 年俸はともに現状維持か
今回は『1972年12月18日号』。定価は100円(すいません、前回、4日号と書いていましたが、11日号の間違い、修正しています)。
12月、年俸更改の季節がやってきた。注目は本塁打、打点の2冠に輝いた巨人・王貞治(.298、48本塁打、120打点)が、入団以来最低打率に終わった
長嶋茂雄を抜くかどうか(.266、27本塁打、92打点)。推定では王が4260万円、長嶋が4924万円。ちなみ0が1つ足りないわけではない。
だが、これについては現状維持が濃厚。2人の言葉を聞こう。
「僕の月給はもう頭打ちですよ。無理も言えないし、これ以上とっても大半は税金で持っていかれちゃう。今年は成績が成績だから、横ばいでよしとしなくちゃね」(長嶋)
「僕とミスターはもう金額的に限界に来ていることは確かですし、現状維持ですんなり決まるんじゃないですか」(王)
ただ、王には14年目のボーナスがある。当時あった10年目、14年目のボーナスで、王世代が最後らしい。長嶋は前年が14年目で1000万円をもらっている。巨人には「長嶋は年俸でもミスター」という不文律があったが、この年の実入りは間違いなく、王が上回るだろう。
ちなみにこの2人は球界でも別格で、東映の
張本勲が1840万円、巨人の
堀内恒夫が900万円、
阪神の
江夏豊が980万円と言われていた。
では、またあした。
<次回に続く>
写真=BBM