
頼もしい働きを見せている
島内宏明が圧巻の一発で、初のタイトル奪取へまた一歩近づいた。9月19日の
ソフトバンク戦(
楽天生命パーク)。同点で迎えた7回二死三塁だ。1ストライクから
岩嵜翔の2球目。154キロ内角直球を力強く振り切ると、打球は右翼席で弾んだ。
決勝の18号2ランで、リーグ首位を走る打点は85に。試合後のお立ち台では「すごいチャンスで回ってくるなと思って緊張しました。打った瞬間はいってくれと思った。風がすごく良い感じで吹いていたので、風、ありがとうございますという感じです」と振り返った。
打点王争いでは、10月5日の時点で2位の
レアードに5差の89打点。プロ10年目で初となるタイトル獲得の可能性もある。同日の時点で得点圏打率は.339、7本塁打と、四番打者の役目をしっかり果たしている。
あらゆる球に対応するため、基本的にはノーステップ打法。昨季から変えたのはタイミングの取り方だ。右のかかとを踏んで、小刻みに体を動かす。本人は詳細を明かさないが、8発だった昨季の本塁打数を上回っている一因も、このタイミングの取り方にあると見る。タイミングが取れているのはもちろん、しっかりと体重移動ができているから飛距離がアップした。
打点は自己最多を更新し続けているが「前の打者が塁に出てくれるからです」と淡々。意識するのは、チームの勝利に貢献することだけだ。「ケガをしてもいいくらいの気持ちで戦っていきたい」と、どこまでも頼もしい。頼れる主砲は、まだまだ暴れまくる。
写真=BBM