多彩な変化球を駆使して

4月17日のロッテ戦で7回無失点と好投した上沢
2試合連続完全試合に迫った
佐々木朗希に負けないピッチングを見せた。4月17日のロッテ戦(ZOZOマリン)で先発した
日本ハムの
上沢直之だ。最速149キロのストレートにナックルカーブ、スライダー、カットボール、チェンジアップ、フォークなど多彩な変化球を織り交ぜてロッテ打線を封じ込める。3回二死二、三塁のピンチでは
レアードに対して初球にナックルカーブを外角いっぱい決め、2球目は同じようなコースにカットボール。絶妙な制球力でロッテの四番を左飛に仕留めてピンチを切り抜けた。
7回まで投げて4安打1四球無失点と抜群の出来。チームは上沢降板後の10回に
万波中正の一発が飛び出して1対0で勝利したが、上沢の今季初勝利はお預けに。だが、BIGBOSSも「安心して見ていられた。完璧です」とエースのピッチングを手放しで称賛した。
自らの投球スタイルについて昨年、上沢は週刊ベースボールのインタビューで次のように語っている。
「僕は真っすぐだけで、ガンガン攻められる投手じゃないので、すべての球種を万遍なく使いながら抑えたいですし、そうしないと抑えられないと思っています。打者に狙い球を絞らせない投球ですね。ピッチングとはそういうものだと思っています。分かりやすく例えるなら『じゃんけん』です。相手が予想していないボールを投げることができれば打ち取れる、投手の勝ちです。逆に、打者の予想が合ってしまえばヒットやホームラン。だから、こちらの選択肢はいくつもあったほうが強い。勝負できるボールが『グー』『チョキ』『パー』の3種類以上あれば、勝つ確率は上がりますよね」
昨年はキャリアハイの12勝を挙げ、防御率2.81も初めての2点台。投球イニング数は160回1/3を数えた。3つの部門はいずれもリーグ3位の数字だったが、11年目の今年は昨昨年以上の数字を残すことが期待される。「じゃんけん」のようなピッチングに今後も注目だ。
写真=BBM