“規定投球回1000”でも残るメッセンジャー

15年から20年まで広島に在籍していたジョンソン
一般的に通算成績の“規定打数”は4000。一方、“規定投球回”は2000イニングだ。半数とはいえ、助っ人の投手たちにとっても、この“規定”は打者と同様、高いハードルだ。去る2021年の規定投球回は143イニングだから、規定投球回ギリギリを投げ続けたとしたら14年間はプレーしなければならない。今回は“助っ投”を一度でも外国人枠の制限を受けた選手に限定しているから、“規定”を1000イニングとしても、それほどハードルは下がってくれない。
これで“最優秀防御率”となるのは
阪神と近鉄で8年間、1596イニング2/3を投げて防御率2.34の
ジーン・バッキーだ。2位には南海(現在の
ソフトバンク)と大洋(現在の
DeNA)で7年間、1459イニングで防御率3.03の
ジョー・スタンカ。通算勝利で並んだ2人だが、防御率ではバッキーに軍配が上がった。3位に食い込んだのは、21世紀に阪神ひと筋10年とバッキーやスタンカよりも長くプレー、通算1606イニング1/3を投げて防御率3.13を残した
ランディ・メッセンジャーだ。
さらに“規定投球回”を500イニングに絞ると、21世紀の“助っ投”たちもランクインしてくる。1位は不動のバッキー、2位は1959年から64年まで近鉄でプレーして908イニング2/3で防御率2.54の
グレン・ミケンズだが、この2022年も阪神でプレーを続ける
チェン・ウェインが3位。
落合博満監督の率いた
中日を皮切りに、去る21年を終えた時点までで実働7年、686イニングで防御率2.60だ。
4位はミケンズと“同期”来日で
巨人ほか複数チームで計8年、621イニング2/3で防御率2.66、ハワイ出身の
西田亨(ビル西田)だが、5位は広島ひと筋6年、804イニングで防御率2.76の
クリス・ジョンソンで、そこにスタンカが続く。
ロッテほか複数チームで10年間プレーして606イニング2/3、防御率3.10の
ブライアン・シコースキーが7位で、メッセンジャーが8位。広島と
オリックスで6年間、569イニング1/3で防御率3.15の
トム・デイビーが9位で通算“最多勝”だった
西武の
郭泰源が防御率3.162で10位だが、1682イニング1/3を投げている。
巨人ほか3チームの
セス・グライシンガーは防御率3.163の僅差で十傑に届かなかった。
【外国人選手 通算防御率トップ10】
※500イニング以上 1位 2.34 ジーン・バッキー(阪神ほか)
2位 2.54 グレン・ミケンズ(近鉄)
3位 2.60 チェン・ウェイン(阪神ほか)
4位 2.66 西田亨(巨人ほか)
5位 2.76 クリス・ジョンソン(広島)
6位 3.03 ジョー・スタンカ(南海ほか)
7位 3.10 ブライアン・シコースキー(ロッテほか)
8位 3.13 ランディ・メッセンジャー(阪神)
9位 3.15 トム・デイビー(オリックスほか)
10位3.16郭泰源(西武)
文=犬企画マンホール 写真=BBM