チーム本塁打は4年連続リーグ最下位

ここまで中日のチーム最多は2本塁打を放っている石川昂だ
現在パ・リーグの本塁打トップは
オリックスの
杉本裕太郎で8本。セ・リーグは
DeNAの
宮崎敏郎と
巨人の
中田翔で7本。そんな中、中日の本塁打数はまだ6本だ(カッコ内はチーム試合数)。
4月 8日 デ● 龍空1号ソロ(7)
4月12日 広○
アルモンテ1号ソロ(10)
4月12日
アキーノ1号2ラン
4月20日 ヤ●
石川昂弥1号ソロ(15)
5月 5日 巨○ 石川昂弥2号2ラン(27)
5月 5日
福永裕基1号2ラン
29試合消化しているので、約5試合に1本しか打てていないことになる。セ・リーグで中日の次に少ないのが
阪神(28試合)で15本、パ・リーグでもっとも少ないのは
ロッテ(29試合)で13本。中日の少なさは際立っている。
中日はここ数年、本塁打不足に悩まされている。4年連続リーグ最下位で、5年連続2ケタ本塁打だ。
2018年 97本(最多/
ビシエド26本)
2019年 90本(最多/ビシエド、
福田永将18本)
2020年 70本(最多/ビシエド17本)※120試合制
2021年 69本(最多/ビシエド17本)
2022年 62本(最多/ビシエド14本)
主砲であるビシエドが5年間トップだが、2019年からは20本にも到達できず、それを上回る選手が出て来ないのが現状だ。チームの最多本塁打が20本を4年以上下回ったのは、2リーグ制以降9例あるのだが、ほとんどが本塁打数が少なかった1950年代から1960年代初頭のもの。近年では2010~13年の
広島の例があるのみ。
2010年
栗原健太 15本(チーム104本)
2011年 栗原健太 17本(チーム52本)
2012年
堂林翔太 14本(チーム76本)
2013年
キラ・カアイフエ、
丸佳浩 14本(チーム110本)
このときは2011年に低反発統一球となり、翌年も含めセ・リーグで100本塁打を超えたのは、2011年の巨人の108本のみ。そういう背景を考えると中日の近年はやはり一発不足だ。
チーム本塁打2ケタで優勝したのは?

昨年優勝したオリックスのチーム本塁打数は89本。最多は吉田正[現レッドソックス]の21本だった
とはいえ、本塁打がすべてというわけでもない。昨年のセ・リーグの本塁打を打率同様の計算式(本塁打÷打数)で算出すると.024、投手の打率.117よりも低い。
平成となった1989年以降、チーム本塁打2ケタで優勝したのは、
1991年 広島 88本(最多/
江藤智11本)
2007年
日本ハム 73本(最多/
セギノール21本)
2011年
ソフトバンク 90本(最多/
松田宣浩25本)
2011年 中日 82本(最多/
トニ・ブランコ16本)
2012年 日本ハム 90本(最多/中田翔24本)
2012年 巨人 94本(最多/
阿部慎之助27本)
2013年
楽天 97本(最多/
マギー28本)
2014年 ソフトバンク 95本(最多/
李大浩19本)
2022年 オリックス 89本(最多/
吉田正尚21本)
と9度ある。本塁打が必ずしも優勝に直結しないことは確かだ。
中日が現在のペースであれば、年間30本塁打しか打てない計算になる。昨年並み(62本)に打っても得点力が上がるわけではない。チーム得点は12球団最低の80点(1試合平均2.76)。大砲は急に育つわけでもなく、その他の方法での得点力アップがチームの浮上につながってくるだろう。
文=永山智浩 写真=BBM