4年間、コーチとしてBチームなどを指揮

慶大・堀井監督[左]と昨年12月1日に就任した北倉助監督[右]は、慶大で同級生である[写真=BBM]
慶大が1月12日、2025年の活動をスタートさせた。19年12月から母校を指揮する堀井哲也監督の補佐役として、北倉克憲助監督が就任した。昨秋までは中根慎一郎氏が同ポストを担っており、その後任人事である。
現役時代は投手。慶應義塾高出身で、慶大では堀井監督と同級生だった。卒業後は三井信託銀行(現三井住友信託銀行)に入行し、退職後の21年に慶大のコーチに就任した。
「堀井監督はオープン戦に重きを置いており、B戦も積極的に組みます。そこで『引率する大人がいない』とのことで、私が呼ばれたのが現場でお手伝いをさせていただいたきっかけです。仕事も落ち着いたところでしたので……。気づいたら、堀井監督は私の名刺を作り、コーチになっていました」
4年間、コーチとしてBチームなどを指揮してきた。昨秋限りで中根助監督の退任のタイミングで、北倉氏に白羽の矢が立った。
「身に余る大役で、気が引き締まります。私は社会人野球を経験していません。ですが、社会人としての心構え、経験してきたことを、学生に落とし込めればと思います。慶應の同級生で、堀井監督は唯一、野球に携わっている。同期として、全力を尽くして、堀井監督をサポートしていきたいです」
堀井監督の期待は大きい。
「助監督として、投手の面倒を見てもらいたいと思っています。林(卓史)、竹内(大助)、中根と助監督が続き、投手部門の指導者は大切な存在。北倉にはコーチとして4年、バックアップしてもらい感謝しています。今度は助監督という立場です。僕にはない社会経験が豊富で、しかも視野が広い。野球ではない視点からのアドバイスにも、期待しています」
今春のリーグ戦では背番号「40」でベンチ入りし、ベンチとブルペンの橋渡しとなる。
「早稲田に勝って、リーグ優勝、日本一。そこに少しでも貢献していきたいです」
堀井監督からすれば、相談しやすい同級生がそばにいるのは心強い限りだ。今年は東京六大学野球連盟の創設100年。慶大はこの節目に、6校持ち回りの当番校の年に当たる。堀井監督は「毎日、100周年だと思って活動している」と、朝から夕方過ぎまで1日中、グラウンドに立ち続ける指導者である。熱血指揮官を支える北倉助監督の動きが、23年秋以来のV奪還を目指すポイントとなりそうだ。
文=岡本朋祐