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制球難で登録抹消も…他球団の評価高い「巨人の左腕」は

 

ロングリリーフもこなせる左腕


さまざまな役割を任せられるリリーフ左腕だ


 巨人が苦しい戦いを強いられている。

 主砲の岡本和真が左肘を負傷して戦線離脱している中、阪神ヤクルトに2カード連続負け越し。さらに5月13日の広島戦(マツダ広島)で、延長12回の末にサヨナラ負けを喫した。貯金は2に減り、3位に転落。秋広優人大江竜聖との電撃トレードで獲得したリチャードが「七番・三塁」でスタメン出場し、5回にいきなり移籍後初アーチを放ったが勝利に結びつかなかった。岡本の穴を埋めるのは容易ではない。全員でカバーして得点力を上げると同時に、「守り勝つ野球」を徹底して白星を積み重ねるしかない。この左腕も一軍のマウンドに戻って、悔しさを晴らしたい気持ちが強いだろう。ファームで調整している横川凱だ。

 ロングリリーフで長いイニングを投げられる左腕は希少価値がある。今年は3イニングを3度投げるなど防御率1点台の好投を続けていたが、5月5日の阪神戦(東京ドーム)で暗転する。2点ビハインドの7回から登板したが、制球が定まらない。3四球を与えて二死満塁のピンチを迎えると、中野拓夢にフルカウントから押し出しの四球。さらに二死満塁のピンチで森下翔太に2点左前適時打を浴びた。8回も続投したが一死二、三塁から小幡竜平に中前適時打を浴びた。2回4失点とリズムを作れず、翌6日に登録抹消された。

勝つために必要なピース


 横川は決して制球が悪い投手ではない。2023年は開幕ローテーション入りするなど主に先発で自己最多の20試合に登板し、4勝8敗、防御率3.95をマーク。昨年はシーズン終盤に救援で奮闘し、12試合登板で3勝1敗、防御率0.94の好成績を残した。今年の役回りは先発陣が早いイニングで崩れたときや、拮抗した試合で流れを引き寄せたい試合中盤に登板するリリーバーとして首脳陣の期待が高かった。阿部慎之助監督は開幕前、週刊ベースボールのインタビューで以下のように語っていた。

「大型補強と言われていますけど、チームはどこも毎年変わる。日本一が目標ですし、勝つために必要なピースを補強していただいたということで、球団には感謝しています。もちろん勝たなければいけないという、ジャイアンツの宿命でもありますけど、補強によってそれがさらに重くのしかかってきた。勝って当たり前の中で勝つという、そこですかね」
「バッテリー中心の補強になりましたが、『守り勝つ野球』というのは変わりませんし、春季キャンプで一軍にいたメンバーでスタートできるかも分からない。誰一人として離脱者が出ないようにしたいというのが一番なんですけど、やっぱりシーズンに入るとなかなか難しい。とにかく『みんなで』というのがシーズンのテーマになるんじゃないかなと思います」

首脳陣にとってありがたい存在


 この「みんなで」と考える指揮官の戦力構想に、横川も当然組み込まれている。他球団のスコアラーは「身長190センチと長身ですが、器用なんですよね。カットボール、スライダー、カーブ、フォークと変化球をきっちり投げられるし、直球も140キロ前後の球速表示より速く感じる。先発だけでなく、中継ぎでもイニングをまたいで投げられる。首脳陣にとってみればありがたい存在でしょう」と評価する。

 横川は大阪桐蔭で3年時に甲子園春夏連覇を経験したが、根尾昂(現中日)、柿木蓮(元日本ハム)に次ぐ三番手投手という位置づけで、主役ではなかった。それでも、高卒ドラフト4位で巨人から指名を受けたのは、潜在能力の高さを高く評価されたからだ。プロ入り後は2度の育成契約を経験するなど順調な歩みではなかったが、試練を何度も乗り越えてきた。シーズンはまだ4分の1を消化したばかり。悔しさを糧に、一軍のマウンドで輝きを解き放つ姿を見たい。

写真=BBM
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