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【首都大学リポート】筑波大がサヨナラ勝利で38季ぶりの優勝 劇的打を放ったのは4年生の苦労人

 

初スタメンの試合で値千金の一打


タイブレークの11回裏、筑波大は1点差を追いつくと、4年生・岩山が無死満塁からサヨナラ打。38季ぶりの優勝を決めた[写真=矢野寿明]


【10月25日】首都大学一部リーグ戦
筑波大5x-4武蔵大(筑波大2勝1敗)
(延長11回)

 首都大学リーグ第8週1日目。筑波大が武蔵大を延長11回タイブレークの末に5対4のサヨナラで下して優勝。06年秋以来、38季ぶり5度目のリーグ制覇を果たした。Vを決める一打を放ったのは4年生の苦労人である七番・岩山創(4年・半田高)だった。

 10回は双方とも1点を挙げ、3対3のまま11回へ。武蔵大は11回表に1点を挙げ、その裏、同点に追いついた直後、無死満塁のチャンスで打席に立つと「気負いすぎないよう意識していました」とストレートを一閃。打球はライトへのヒットとなり三塁走者が生還。ベンチからメンバーが駆け出し、喜びの輪が広がった。

「打った瞬間のことはあまり覚えていなくて実感もなかったのですが、みんなが走って近づいてきたのを見て『優勝できたんだ』と思いました。チームとして優勝をずっと目標に掲げてきたので達成できてうれしいです」

 実はこの試合が初スタメン。現時点のリーディングヒッターで、ケガのために戦列を離れた川上拓巳(4年・旭川実高)の代役としての抜擢だった。

「とにかく自分の役割をしっかりとやろうと考えていましたが正直、ここまでの場面で自分に回ってくるとは思ってもいませんでした」

 セールスポイントは「積極的に振っていくバッティングで、アベレージを残すタイプ」と話す岩山。3年時まではリーグ戦の出場はなかったものの、今年は調子を上げていた。

「自主練習ではリーグ戦で結果を出せるように試合を想定しながら練習していました。それからバッティング練習の時に動画を撮るのですがその映像を見て、どれくらいの角度でバットをスイングしているのかをチェックし、自分のフォームにフィードバックさせてきました」。

「やめなくてよかった」


筑波大は4年生・岩山が38季ぶりの優勝を決めるサヨナラ打を放ち、ウイニングボールを手にしてポーズを取った[写真=大平明]


 しかし、春季リーグの開幕直前、死球を左手首に受けて骨折。リーグ戦デビューはさらに遠のくこととなった。

「一時は選手をあきらめて学生コーチになることも考えました。でも、チームメートから『また、頑張れよ』という言葉をもらいましたし、なによりも普段と変わらずに接してくれたことがありがたかったんです。チームメートがここまで自分を続けさせてくれたのだと感じています」

 6月、練習に復帰すると、この秋はチームの開幕戦となった帝京大1回戦にライトの守備で初出場。城西大1回戦ではうれしい打点付きの初ヒットも放った。

「これまではずっと結果が出ずにいたのですが、いろんな方々にサポートやアドバイスをしていただいたおかげです」

 19年ぶりの優勝を決める殊勲者となり「やめなくてよかったです」と笑顔がはじけた。川村卓監督も「今季はこれまでなかなか試合に出られなかった4年生が活躍してくれました。岩山はコツコツと努力できる選手なので報われてよかった。優しい性格なんですが、最後に気持ちを出してくれました」と手放しでほめたたえている。

 リーグ優勝を決め、筑波大は明治神宮大会出場をかけた横浜市長杯に挑む。岩山も「自分たちの目標はまだ先にある」と話しており、2枠しかない本大会への出場権を狙う。大学で野球はこの秋で一区切りをつける。最高の仲間たちと少しでも長く野球を続けるためにも一戦必勝で臨んでいく。

文=大平明
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