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第98回選抜高校野球大会

【センバツ】大阪桐蔭高の副将・内海竣太が将来の夢を「社会人野球選手」とした理由

 

アルプス席の父は「感無量」


大阪桐蔭高は4年ぶり5度目の優勝。閉会式では副将として、優勝杯を手にした[写真=代表撮影]


 第98回選抜高校野球大会の決勝が3月31日、阪神甲子園球場で行われ、大阪桐蔭高が4年ぶり5度目の頂点に立った。センバツの優勝回数は、東邦高(愛知)に並ぶ歴代最多タイ。春、夏を通じて10度目の全国優勝は11度を数える1位の中京大中京高(愛知)に次いで、史上2校目となる二ケタ到達だ。

 2万5000人の観衆が詰めかけた決勝後の閉会式。主将・黒川虎雅(3年)が紫紺の大優勝旗、次に副将・内海竣太(3年)が優勝杯を手にした。

 三番・右翼の中心打者である内海は、今大会5試合で20打数7安打。2安打を放った智弁学園高(奈良)との決勝では同点の7回表、勝ち越しとなる押し出しの四球を選んでいる。この日の決勝後、U-18日本代表候補選手強化合宿(4月3〜5日)に選出。2026年世代を代表する左打者である。

 三塁アルプス席で応援した父・将人さんは「感無量の一言」と、春日本一の感想を明かした。1回戦から全5試合観戦。これまでに感じたことのない、不思議な感情だったという。

父、長男、次男の背中を追って


智弁学園高との決勝。1回表一死二塁から痛烈な右前打。大会屈指の好投手・杉本真滉から放った[写真=毛受亮介]


 野球一家である。

 右の強打者だった父・将人さんは日大三島高(静岡)を経て法大に在籍し、日本ハム稲葉篤紀二軍監督と同級生だった。法大4年秋(1994年)の明大2回戦では2対2の12回表に勝ち越しソロアーチを左翼席へ放ち、11季ぶりのリーグ優勝に貢献した。卒後後は東芝で6年プレーし、現役引退後は社業に専念している。

 右のスラッガーである長男・壮太さんは御殿場西高(静岡)を経て、父の母校である法大では四番を務め、4年春には神宮でリーグ戦初本塁打を放った。昨年、Honda鈴鹿に入社して、社会人野球を続けている。

 2歳下の次男・優太さんは広陵高で3年春の甲子園に出場し、侍ジャパンU-18代表でプレー。大学日本代表と対戦した壮行試合(2022年)では、高校日本代表の四番として、ZOZOマリンの右中間に本塁打を放った。当時、現地で視察していた侍ジャパン・栗山英樹監督が、印象に残る選手に挙げた左のスラッガーだった。高校卒業後は明大に進学。四番を任されるなど、昨秋までに2本塁打を放ち、4年生の今春は中心打者として、秋春連覇に挑む。

 そして、三男・竣太がついに甲子園で頂点に立った。中学時代に在籍した広島北ボーイズでは2、3年時にジャイアンツカップに出場。当時から脚光を浴びる存在で、高校進学に際しては、超名門校で勝負する決意を固めた。1年秋からレギュラーを張る逸材だ。今大会の報道各社向けの共通アンケートで将来の夢は「社会人野球選手」。父、兄を尊敬している表れだ。大学で活躍した上でアマチュア野球最高峰を目指しているという。父は息子3人のプレースタイルをこう語る。

「3人ともバッティングが好きで、長男、次男は長打が期待できるタイプ。三男は逆方向からセンターに強い打球を打てる、広角なタイプかと思います」

長男・壮太[左]は24年秋まで法大に在籍し、次男・優太[右]は今春、明大で4年生を迎える[写真=矢野寿明]


 まだ、夏がある。将人さんは父であり、元野球人の視点でこう言った。

「夏に向けて、黒川キャプテンに頼り過ぎずに、副キャプテンとしても春以上にチームを引っ張って、チームの目標である春夏連覇を期待しつつ、私たち保護者としては、関係者の皆様とともに応援したいと思います」

 高校、大学、社会人、それぞれのステージで白球を追う息子3人の活躍を心から願っていた。

取材・文=岡本朋祐
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