プロ初登板で初セーブ

プロデビュー戦で見事にセーブをマークした岩城
西武の新守護神候補・
岩城颯空がデビュー戦となった3月31日の本拠地開幕
オリックス戦で2点リードの9回を1回1安打無失点投球。2022年の
巨人・
大勢以来、新人7人目となるプロ初登板初セーブをマークした。
華々しいデビューを飾ったドラフト2位左腕は「緊張する中で、落ち着いて投げることができました。ランナーが出てしまった部分もありましたけど、そこを引きずらずに次の打者に集中して攻めていくことができた」と改めてプロ初登板を振り返った。
西口文也監督からクローザー起用を伝えられたのは3・27開幕
ロッテ戦を目前にした敵地・ZOZOマ
リンでの練習時だった。岩城は「やっぱり『今年はリリーフで行くぞ』と言われていたので、そう伝えてもらったときから、やるからには勝ちパターンに入れるように。そこを目標としてキャンプ、オープン戦からずっとやってきた。聞いたときにはうまくアピールできたかなと思いました」と安堵。しかし、さすがの肝っ玉ルーキーもクローザー起用は「まったく想定していなかった」という。
オープン戦では6試合、打者22人に対し無安打無失点8奪三振。その中でも、プロでやっていける手応えをつかんだ試合があった。オープン戦登板5試合目となった3月17日の
楽天戦(ベルーナ)がそれだ。0対0の6回に三番手として登板した岩城は先頭の代打・
浅村栄斗を内角148キロの速球で詰まらせ遊直、続く村林も内角150キロで押し込みファウル、最後は内角148キロで遊ゴロに打ち取り、最後の打者、
ルーク・ボイトも内角にズバッと151キロのクロスファイアを投げ込み、堂々の見逃し三振を奪った。
ライバル球団の主軸3人を打ち取ったことで「プロにずっとおられる打者に、自分のすべてで詰まらせたり、打ち取ることができた。最後は決めたいところで決めにいって三振を取ることもできた。自分の中では、そこからちょっと自信につながったのかなっていうのはありますね」ときっぱり。これで自信を深めたという。
緊張との付き合い方
西武の開幕カードとなったロッテ3連戦では展開的にも投げる場面がなく、一度もブルペンで肩を作ることもなかった。初めてブルペンに入り、出番がやってきたのが本拠地開幕戦となった3・31オリックス戦だった。
「一発目というのは一番力んじゃうし、緊張も一番する。それも含めて、早く登板して楽になりたかった気持ちはありましたけど……。その割には落ち着いていたのかなと試合中に思いました」。こうプロ初登板初セーブを挙げたデビュー戦を振り返った。
緊張との付き合い方については「僕、結構何でも緊張するタイプなので。ブルペンにいるときは緊張感があったほうが良くて、それがずっと収まらないときはちょっとなんかうまくいかないことが多い。けど、この前はブルペンに向かっていくときにうまくコントロールできたというのがありました」とも自己分析をした。
スイッチを切り替えるタイミング

リリーフ経験が豊富な甲斐野。今季も西武のブルペンで重要な役割を担う
そんな背番号20が今後、西武のブルペンを支えていくために手本としているのが、今年がプロ8年目シーズンとなる
甲斐野央だという。岩城は「甲斐野さんの立ち振る舞いというか、ブルペンでの過ごし方を常に近くで見ている」と語る。
「よくアドバイスをもらいます。試合をブルペンで見てるときとかに『そんなに毎日気を張っていたら持たないぞ』って言われて、確かにそうだなと思って。で、そういうとこから『もっと楽にブルペンに入れ』って言われて。ブルペンでの過ごし方であったりとか、登板直前のアップの雰囲気だとかを、いつも見て勉強してます」。
岩城が最も関心を寄せているのが甲斐野が「オフ」から「オン」へスイッチを切り替えるタイミングの部分だ。「すごいですよ。ブルペンで出番のないときとか、試合を見てるときに一緒に見てることが多いんですけど。そういう時は普段と変わらない通常の甲斐野さんがいて、例えばこの前だったら『(7回の)頭行くよ』って言われてからの変わりようが。なんて言うんですか、そのスイッチの入れ方が早くて。 やることをパパっとやって無駄のない感じでアップして。自分のやり方、これやっとけば大丈夫みたいなルーティンをして、すぐマウンドに行くっていうのがすごかった。自分も早くそういうものを見つけたいです」。
将来的には「自分が(試合の)頭から行って最後まで投げて勝つっていうのがベストだと思ってる」と先発希望も捨てていないルーキー左腕だが「今はこのリリーフというポジション、そこを全力で全うしたいと思っています」という岩城。昨年のパ・リーグセーブ王の
平良海馬が抜けた穴に、この肝っ玉ルーキーが新守護神として収まっていってくれれば、西武のブルペンは再び盤石に近づく。
文=伊藤順一 写真=大泉謙也