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ヤクルトが下馬評覆す快進撃 優勝に欠かせない助っ人クローザー 衝撃の剛速球投げる「三振マシンの左腕」は

 

力強いストレートで勝負


今季ヤクルトに入団したキハダ。剛速球を投げ込むサウスポーだ


 池山隆寛新監督の元でスタートダッシュに成功したヤクルト。好調の要因の一つが、安定した救援陣だ。

 開幕5連勝を飾った5試合はすべて3失点以内に抑えている。先発がゲームメークすると、早めの継投策で逃げ切りに入る。試合を締めくくるのが新外国人の守護神、ホセ・キハダだ。来日初登板となった3月27日の開幕・DeNA戦(横浜)で1点リードの9回にマウンドに上がると、一死二塁のピンチを背負ったが、度会隆輝を4球すべて直球で見逃し三振、九鬼隆平にも変化球を挟まず152キロ直球で空振り三振に仕留めて逃げ切った。

 翌28日も3点リードの9回に登板。先頭打者のクーパー・ヒュンメルから空振り三振を奪うと、二死二塁で度会を151キロの直球で二ゴロに仕留めた。20球のうち17球が直球と強気にどんどん投げ込む。左腕から繰り出す150キロ台の直球は球速以上の速さを感じる。空振りした際に首をかしげるDeNAの打者たちの姿が印象的だった。無失点に抑えて2セーブ目を挙げると4月5日の中日戦(神宮)でも2点リードで9回マウンドへ。三者凡退で3セーブ目をマークした。

 エンゼルス時代は大谷翔平(現ドジャース)とチームメートだった。22年に自己最多の42試合登板で3セーブ12ホールド、防御率3.98をマークするなど、メジャー通算140試合登板で4勝14敗8セーブ34ホールド、防御率4.64。目を見張るのは三振奪取能力の高さだ。計128回投げて172奪三振。直球が8割以上を占める投球スタイルで打者をねじ伏せる。制球力が課題とされていたが、異国の地で改善されれば安定感がグッと高まる。

Vへの原動力となった助っ人


 3年連続5位以下と低迷していたヤクルトは今年の下馬評が高いとは言えない。だが、過去に低評価を覆してリーグ制覇を飾った歴史がある。その時の原動力になったのが絶対的な守護神だ。2年連続最下位の後に14年ぶりのリーグ優勝を飾った15年は、トニー・バーネットが59試合登板で3勝1敗41セーブ6ホールド、防御率1.29の大活躍で2度目の最多セーブのタイトルを獲得。セーブが付く場面での救援失敗は1回のみだった。

 再び2年連続最下位からリーグ連覇を飾ったとき、抑えを務めたスコット・マクガフの活躍も忘れられない。21年のシーズン途中にセットアッパーから配置転換され、66試合登板で3勝2敗31セーブ14ホールド、防御率2.52をマーク。20年ぶりの日本一に大きく貢献した。翌22年も開幕から18試合連続無失点に抑えるなど、55試合登板で2勝2敗38セーブ4ホールド、防御率2.35の好成績を残した。

仲間に慕われた“ブルペン兄貴”


2021、22年の連覇にクローザーとして貢献したマクガフ


 ヤクルトはリーグ連覇を飾った21、22年と2年連続で2ケタ勝利を挙げた投手がゼロだったが、破壊力十分の打線で得点を奪って試合の主導権を握り、強力な救援陣で逃げ切る試合展開で白星を積み重ねている。守護神・マクガフが安定したパフォーマンスで首脳陣から信頼を勝ち取っていたため、逆算して継投策を組み立てられた。穏やかで謙虚な助っ人右腕はナインから慕われ、良きお手本に。週刊ベースボールのインタビューで、以下のように語っている。

「何より雰囲気が良くて、みんな仲が良い。それぞれ役割も違って登板パターンもいろいろと異なる中で、一人ひとりが結果をしっかり残している。引き続き良い成績を残していくためにも、この雰囲気を維持していきたいです」

「“ブルペン兄貴”と言われていますが、立場はみんなと一緒。勝利のために自分の仕事を全力で務めることに変わりはありません。ただ、若い選手がたくさんいるので、できることはしてあげたいし、助け合いながらやっていきたいと思っています。あとは常に楽しみながらプレーするというのを心掛けています」

 バーネットやマクガフのように、キハダが不動の守護神として稼働すれば、ゲームプランが立てやすくなる。「台風の目」で終わるつもりはない。リーグ制覇に向け、剛速球を投げ続ける。

写真=BBM
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