1980、90年代に『週刊少年ジャンプ』で育った世代、人気ゲーム『桃太郎電鉄』をやり込んだ世代にはピンとくる存在だろう。ライター、ゲーム制作者であるさくまあきら氏は大洋時代からの筋金入りのホエールズ・ベイスターズファン。今でも仕事をしながらもDeNAの試合中継は必ずチェックしているという。 取材・構成=滝川和臣 2013年には球団と連動して「さくまあきらのベイスタ放送局」を開催。ファン投稿企画は大好評だった
出身は東京の上井草なんですが、子どものころからの大洋ファン。球団が初優勝する1960年の前のシーズン、59年から好きになりました。この年入団し31本塁打で新人歴代記録をつくった
桑田武選手をテレビで見たのがきっかけでした。
週刊少年ジャンプの読者投稿コーナー『ジャンプ放送局』(1982〜95年)の構成担当をしているときはホエールズのネタを忍ばせてみたり、好き勝手にやって楽しんでいました。当時の出版社は接待用にシーズンシートを持っていて、大洋の試合は観客が少ないということで招待してもらって、神宮などでよく観戦していましたね。Bクラスが当たり前、Aクラスに行くだけで大喜びの時代でした。
ゲームクリエーターとして手掛けたソフトが『桃太郎電鉄』(桃鉄)です。今でも、DeNAの選手も桃鉄をプレーしてくださっているようで、うれしいですね。ゲーム内ではスリの
銀次がベイスターズのユニフォームを着ていたり、社長の名前を「ベイスタ」として、横浜の球団を買うと日本シリーズで勝利しやすいとか、僕のベイスターズ好きはにじみ出ていると思います。単なるえこひいきですね(笑)。
三浦監督から贈られた帽子
大洋、横浜から続く球団の伝統は「残塁の山」。ずっと変わらない気質のようなもので、あとヒット1本が出ない。かといって、バントや小技で得点するのも似合わない。打って、打って、打ちまくるようなスカッとする野球が似合っています。今年は最下位に沈んでしまいましたが、
牧秀悟選手、
森敬斗選手ら伸び盛りの若手に加えて、打率を残せる外国人が一枚入ると変わるのかな。あとは
三浦大輔監督を支える参謀の存在も必要でしょう。「1点差」の展開を勝ち切る野球で、来年はAクラスを目指してほしいです。
親交のある三浦大輔監督の1年目はちょっと残念な結果に。来季Aクラス入りを期待します!
PROFILE さくま・あきら●1952年7月29日生まれ。東京都出身。ゲーム制作者、ライター。立大在学時よりライター活動を開始し、アニメ雑誌『月刊OUT』や『週刊少年ジャンプ』の読者ページ「ジャンプ放送局」の構成で人気を得る。87年に『桃太郎伝説』で初めてゲーム制作に携わり、88年からは『桃太郎電鉄』シリーズが現在まで続く人気シリーズとなる。最新作『桃太郎電鉄〜昭和 平成 令和も定番!』は300万本を超える大ヒットとなっている。