何かと新戦力が話題となるのが春季キャンプ。目標は各球団とも「優勝」。そのためには必ずキーマンとなる選手が投手にも野手にもいる。そんな各チームの優勝へカギを握る選手たちは誰なのか。 投手編・宮城大弥 カード勝ち越しのカギ握る

先発三本柱に割って入ることができれば大型連敗を避けられる
堂々たるマウンドさばきを見せるからこそ期待はふくらむばかり。昨季のドライチ左腕は、シーズン最終盤に一軍デビュー。3度目の先発登板で初勝利も手にしているが、結果以上に、高い“思考力”が、今後の成長を期待させている。打者の左右に応じて、投球プレートの踏む位置を変えるなど、工夫を凝らしつつ、自己最速を3キロ更新する153キロを計測。フォークも習得して投球の幅を広げてきた。ただ、一軍で感じたことは「ボール球を投げることの大事さ」だ。打ち気の打者を手玉に取るべく“投球術”を磨くことを1つのテーマに掲げるのは、一軍先発ローテ入りを期すからこそ。試合を作ることが役割だけに、不用な1球を避けなければならない。
「打者の考えが分かればボール球でも勝負できるようになる。そうなれば投球の幅も広がり、長いイニングを投げられるようになると思う」
目指すは開幕先発ローテ入り。
山岡泰輔、
山本由伸、
田嶋大樹に割って入れば先発陣が強固になるだけでなく、計算できる4投手の存在はカード勝ち越しのメドも立つ。2年目左腕の成長は、大型連敗を回避することにもつながっていく。
■2020年成績■ 3試合1勝1敗0S0H防御率3.94 ■2021年期待数字■ 10勝以上 打者編・福田周平 意識してきた数字を形に

19年はチームトップの30盗塁。出塁すれば機動力も使える
一発を秘める強打者は数多い。
吉田正尚、
T-岡田の左の和製大砲に、
ジョーンズ、
スティーブン・モヤ、そして今季は
ステフェン・ロメロが
楽天から復帰した。とはいえ、彼ら中軸の前に走者を置かなければ得点は見込めない。課題である得点力不足解消へ、チャンスメーカーの期待が寄せられるのが
福田周平だ。
昨季は故障で二軍スタートも、7月末に復帰後は一、二番に座りながら打線をけん引。バットを短く持ち、鋭い打球で野手の間を抜く打撃に加えて、四球を選ぶ選球眼も併せ持つ。身長167cmの小柄な男は果敢なヘッドスライディングでもチームを鼓舞し、打線を活気づける存在だ。
求められている役割も理解する。ルーキーイヤーの18年から、常に意識するのは「打率+1割を残したい」という出塁率。一、二番や下位に座り、得点機を作り出すことを念頭に置き続けてきただけに、その姿勢は今季も変わることはない。
豊富な先発陣がそろうストロングポイントを生かすも殺すも攻撃陣次第。キレイな安打でなくても、四球や内野安打でいい。“出塁”にこだわり、そして1回でも多く本塁を駆け抜ける。もう得点力不足とは言わせない──。
■2020年成績■ 76試合67安打0本24打点13盗塁打率.258 ■2021年期待数字■ 打率3割出塁率4割