
23年間の現役生活は常に不安との闘いだった。写真は東映時代の筆者
ノムさんとのやりとり
9月15日に行われた
巨人対
DeNA戦(東京ドーム)で、巨人の
坂本勇人が通算170回目の猛打賞を記録した。猛打賞というのは読者の方ならご存じだと思うが、1試合で3安打以上記録することだ。坂本の170回目というのは歴代9位の記録にあたり、実はこの記録の1位は私なのである。23年間のプロ生活で通算251回の猛打賞を達成した。2位は打撃の神様と言われた
川上哲治さん(巨人)の194回だから、われながら誇れる数字だと思う。
現役時代によく聞かれたのは「固め打ちの極意」だ。1試合に3本も4本も安打を放てば、バットマンとしてこれほどうれしいことはない。特に私のような打率で勝負するアベレージヒッターには1本の安打が何よりの喜びだった。だが、固め打ちの極意など私にだって分からない。分かったら私のほうこそお金を払ってでも教えてもらいたいくらいだ。
ただ強いて挙げれば、打席での安打に対する執念だと思う。もう1本、あと1本、何とか1本。「今日はもう3本も打ったからいいだろう」。そんなふうに思っては、やがて打てなくなるのは目に見えている。打てるときに打っておくのだ。
こんな思い出がある。東映時代のことだ・・・
この続きはプレミアムサービス
登録でご覧になれます。
まずは体験!登録後7日間無料
登録すると、2万本以上のすべての特集・インタビュー・コラムが読み放題となります。
登録済みの方はこちらからログイン